days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Mirrors


今年最初の劇場での映画鑑賞は、ホラー映画『ミラーズ』でした。
正月2日目の18時半からの上映にも関わらず、30人近くの入り。
最寄のワーナーマイカルの中でも小さい小屋(収容人数100弱)での上映でしたので、結構な入りと言えましょう。
正月からホラー映画を観たいとは、皆さん中々良い根性していますね。
客層は20代が多く、カップルだけではなく女性連れ、男性連れも目立ちました。
1人は寂しいものね。


映画はというと、これが『24』ジャック・バウアーをホラーの世界に放り込んだらこうなった、というもの。
バウアー役ですっかり固定化した近年のキーファー・サザーランドのイメージを上手く使っていて、これが結構面白いのです。
停職中の刑事がガードマンとして廃墟となったデパートの警備をするのですが、ここにある謎の大鏡の魔力によって、彼の周りに怪異が起こります。
やがて怪異は危険となり、家族の身にまで及ぶのです。
事件の真相は如何に。


主人公が刑事ということで、前半はスーパーナチュラルホラー、後半は捜査ものと一粒で二度美味しいではないですが、中々楽しませてくれます。
それとホラーものでこれだけ銃をバンバン撃つ主人公も珍しい。
余り違和感は無いのですが。
それとしつこいようですが、主人公がジャック・バウアーそのまんななので(笑)、行動が直情的。
後半に至っては24時間働けますか状態で、忙しいことこの上ありません。


オリジナルの韓国映画『Mirror 鏡の中』は日本では劇場未公開ということもあって、まるで知らない作品だったのですが、このリメイク版は恐らく設定だけ借りたまるで別物になっているのではないでしょうか。
デパートのセットも中々雰囲気があって良いのですが、中盤のいささかショッキングで不必要なスプラッター場面や、終幕の肉弾戦(これも蛇足気味)など、監督アレクサンドル・アジャの趣味なのではないか、と思いました。
この人、心霊現象とかよりも、直接的描写の方を信じている人なのでしょうね。
ラストは実は読めてしまったのですが、その先にさらにオチがあって、こちらも面白かった。


主人公の妻役ポーラ・パットンは『デジャヴ』で知った女優なのですが、今回も中々シリアスな熱演。
妹役エイミー・スマートは出番が少ない上にあんな役で少々残念でした。


音楽を多用し過ぎて効果音との判別が付きにくいといった、近年のハリウッド映画の悪しき面もありますが、中々の力作と言えましょう。