days of cinema, music and food

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Dragon Age: Origins


SFRPGの『マスエフェクト』で名を売ったBioWare社が開発、海外ではEAが販売した人気RPGドラゴンエイジ:オリジンズXbox 360版をクリアしました。
時間にしておよそ50時間。
これが長くなかった。
サブクエストをやり込めば100時間は掛かるというこのゲーム、いやはや噂にたがわぬ傑作でした。
ハイファンタジーRPGでここまで満足感があったゲームって、これの前の最後は何だったのだろうか。
そんな事を思ってしまったくらい、満足度が非常に高かったのでした。


内容は王道中の王道、正統派そのものの物語です。
闇の勢力ダークスポーンの復活によって、戦乱に包まれた王国フェレルデン。
政治も含めて混乱状態、内戦状態となったここに、太古から受け継がれている守護者グレイ・ウォーデンが立ち上がります。
主人公は試練を乗り越えてグレイ・ウォーデンとなり、各種族の協力を取り付けながら、ダークスポーンに立ち向かいます。


主人公の性別、種族(人間、エルフ、ドワーフ)等は選択、もしくはカスタマイズ可能です。
私は王族の人間の男性を選択し、外見を作ってみました。
赤毛で豊かな髭は、ちょっとバイキングを意識しています。
因みに町によっては娼館があり、試しにと相手に男性を選んだら、事に及ぶのも可能でした。
ちょっとびっくりでしたが、性差別をしない政治的正しさという点では全く合点が行くものです。


さてこのゲーム、巷で言われているように、作り込まれた世界観は確かに非常に細かい部分まで良く出来ています。
しかしゲームに小島秀夫のような長々した説教と、細かい設定は余り求めない、ゲームそのものと物語重視の私にとっては、それらは余り重要ではありませんでした。
このゲームの面白さは大まかに言って3つ挙げられます。


1つはRTS調の戦闘です。
正直に言って、これが私にとってのハードルでした。
私にとってのRTSなんぞは、妻と協力プレイもしくは対戦で燃えたゲームキューブの『ピクミン2』くらいしか経験がありません。
事前にどういう場合にどのような動きをするか、各キャラクターに設定を行い、敵に遭遇したらパーティメンバーが勝手に戦ってくれるというのがこのゲームの戦闘です。
実際にはいつでも一時停止出来るし、各キャラを1人ずつマニュアルで操作する事も可能です。
しかし各人の設定をいじり過ぎて、途中からは全滅ばかりして先に進めなくなり、苦しんだものでした
何しろこのゲームの戦闘は、基本的に集団対集団。
1人が敵に囲まれてしまった場合、下手するとあっという間に倒され、1人倒されるとバランスを欠いて次も倒されるという負の悪循環に陥り、全滅もよくあるものなのです。
これもコツが判明するまで大変でした。
コツ習得後は楽しい戦闘でした。
集団入り乱れての、剣と魔法で派手な戦闘を眺めるのは面白かったです。
が、それでも難度は高め。
途中からは難度イージーにてプレイしましたが、それでも全滅はちょくちょくありました。
ネットを見ても、このゲームの戦闘は難しい方に入るようです。

クライマクスでは大勢対大勢で迫力満点、盛り上がりました。
しかし戦闘では敵の人間も首が飛んで派手に血しぶき(OFFも可)が飛び散るのに、CEROはZではなくDですか。
ちょっと意外です。


2つ目は、個性豊かなパーティメンバー。
各キャラが立っているので、やり取りなども含めて非常に面白い。
このゲームは主人公キャラに対する各パーティメンバーの好感度も変動する仕組みになっています。
会話やプレゼント贈答などで最高に上がると、異性の場合は恋人になれます。
ここら辺は『マスエフェクト』同様ですね。
で、面白いのは美貌の魔女モリガン
普通、善行を行うと各人の主人公への好感度が上がるのですが、彼女の場合は必ずしもそうではありません。
むしろ下がる場合の方が多いようにさえ思えました。
ですからひたすらプレゼント攻勢をかけ、会話にも気を使って選択肢を選びます。
ゲームの中にまで人に気を使って、一体何やってんだ俺、てな気分でした(^-^;
しかし無事恋人同士になると、これがツンデレで可愛い。
相変わらず露出控えめでもセクシーさを狙った濡れ場も用意されているのが、さすが(?)BioWare
マスエフェクト』もそれで話題を呼びましたからね。
でも大人向けRPGとして、これは大いにアリだと思います。
但しまだまだ如何にもCGだし、もう少し肌の温もりが感じられる表現が出来ると良いな、とも思いました。
因みに二股とか掛けると、殺し合いに発展する場合もあるとか。
怖くてそんなのやりませんでしたよ、えぇ。

モリガンさん、好感度が上がると大胆なお誘いもしてくれます(*^0^*)


3つ目は、プレイヤーの下した決定が後々に重みを増してくる事。
これは物語とプレイヤーが紡ぎ出すという、小説でも映画でも不可能な、深い物語体験だったと思います。
特にこのゲームの場合は、「何かを得られれば何かを失う」という場合が多く、色々と考えさせられました。
登場人物の長く退屈な台詞でお説教を試みる小島秀夫の『メタルギアソリッド』シリーズとは雲泥の差。
クリエイターはメディアに合った表現手法を採用すべきですが、小島の場合は演劇が似合っているのかも。
このゲームの場合、賢明にもBioWareのスタッフはゲームというメディアに合った手法で、プレイヤーを世界へ、物語へと引き込む事に成功しています。


プロットは基本的に1本道だし、町や都市、ダンジョンへの移動はマップ上の移動であって、徒歩の移動という楽しみはありません。
ドラゴンクエスト』等の移動も楽しさにあてがっているゲームに慣れていた私は面食らいました。
しかし、戦闘、人物、物語をこのゲームの楽しさに集約させているんだ、というスタッフの意気込みがもたらしたものは成功だったと思います。
それくらいに充実していました。
とっつきにくい部分もありますが、そこを受け入れられた人には極上の楽しみが待っています。
お勧めです。

Dragon Age:Origins - Xbox360

Dragon Age:Origins - Xbox360

Dragon Age:Origins - PS3

Dragon Age:Origins - PS3

パッケージ版には海外でのダウンロードコンテンツの一部が収録済みです。


拡張コンテンツも発売されています。

Dragon Age:Origins - Awakening - Xbox360

Dragon Age:Origins - Awakening - Xbox360

Dragon Age:Origins - Awakening (本製品は拡張パックのため、単体ではプレイできません) - PS3

Dragon Age:Origins - Awakening (本製品は拡張パックのため、単体ではプレイできません) - PS3

これも挑戦したいなぁ。