days of cinema, music and food

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Oz: The Great and Powerful


サム・ライミの新作映画『オズ はじまりの戦い』をミッドナイトショウ鑑賞しました。
公開初日の金曜23時20分からの回は30人弱の入り。
私が観たのは通常3D上映でした。
IMAX 3D上映もあるので、そちらならばより素晴らしい映像体験が得られる事でしょう。


サーカス巡業の奇術師のオズことオスカー(ジェームズ・フランコ)は、軽薄で口先だけのハッタリ男です。
ある日乗った気球ごと竜巻に巻き込まれ、気付くとカラフルな異世界にいました。
そこはオズの国で、不思議な生き物と善良な人々が住む国でした。
オズは、出会ったセオドラ(ミラ・クニス)とエヴァノラ(レイチェル・ワイズ)の姉妹魔女から、国と同じ名前の魔法使いがやって来て、悪い魔女(ミシェル・ウィリアムズ)を倒すとの予言を聞かされます。
そしてその魔法使いとはオズなのだ、と。
魔女退治を懇願されてしまったオズは、自分はその魔法使いでないと言い出せないまま、魔女退治に向かいますが。


名作『オズの魔法使』の前日談です。
あちらの映画同様に、現実のカンザスの場面ではモノクロ/スタンダード(1.33:1)ですが、舞台がオズの国に移ると画面が2.35:1のワイドスクリーンに広がります。
その瞬間は感動的でした。
これは映画館ならではの体験ですよね。
そして最大の驚きは監督サム・ライミが女優を美しく撮れる事!
だって彼の映画って、女優は皆、美しく撮られていなかったのですよ。
ダークマン』のフランシス・マクドーマンド、『スパイダーマン』のキルステン・ダンストを想いだしてみて下さい。
それがどういう事でしょう。
女優3人はそれぞれ個性的で魅力的でしたし、まさかミラ・クニスがあんな役とは!
キャラクター設定や捻った展開も面白かったです。


役者では、ジェームズ・フランコのうそ臭い笑顔演技と、薄っぺらい手品師の役がドンピシャでした。
軽薄でしょうもない男ですが、妙に愛嬌があるので憎めない。
そんな役をフランコは軽々とこなしています。
笑わせてくれますしね。
いや全く、薄くて軽い男ですよ!
でも後半は、そのダメ男の奮起ものとしても楽しめるし、『アルゴ』同様に暴力ではなく知恵と度胸を武器にするのが良い。
もちろん子供向け家族向け映画のフォーマットというのもあろうけど、その定型内で最大限の捻りを効かせて楽しませてくれました。
予想以上に楽しい映画でしたよ。


全編VFXの映画で、色も綺麗で画面も楽しかったです。
ダニー・エルフマンとライミの相性も良いですね。
冒頭とエンディングのタイトルデザインも凝り凝りで楽しませてくれました。
正直、余り期待していなかったのもあって、楽しい観劇でした。
但し家族向けの内容なのに131分の上映時間は少々長い。
もう少し刈り込んで20分程短くしても良かったでしょう。