days of cinema, music and food

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graphic novel "Top 10 Vol. 1"


このところ朝7時過ぎに出社している状況だったので、読書も負担の軽いものばかり。
アメコミもの、いやアラン・ムーアの最新翻訳ということで『トップ10』を読んでみました。
先日読んだウォッチメン』も大変面白かったですからね。
しかもユーモラスでもある警察ヒーローものだそうで。
好奇心に駆られての購入です。


原作:アラン・ムーア、画:ジーン・ハー&ザンダー・キャノンという布陣でお送りするのは、住人はおろかネズミなど小動物も含めて皆スーパーヒーローばかり、という大都市。
一般人、一般動物から隔離された場所のようです。
そこにある第10分署に女性新米警官が配属されたことから、物語は始まります。


こんな設定ですから、脇役に至るまで皆個性派揃い。
警官たちだけではなく、被害者、加害者、街のチンピラまでが普通じゃありません。
私が1番気に入ったのはゴジラの親族。
こんな扱いとはマジメなゴジラ・マニアは怒るかも知れませんが、どうして結構リスペクトされていると思います。


内容はメインとなる殺人事件と同時に、パラレルに細かい事件が頻発して同時進行するモジュラータイプの警察もの。
これをスーパーヒーローでやるとどうなるのか、という実験が非常に上手くいっていて、これは続きが気になります。
警察メンバーもチンピラたちも皆活き活きとしていて、楽しい。
アラン・ムーアってユーモアものもいけるのですね。


第2巻はいつ発売になるのか分かりませんが、これは本当に楽しみ。
アラン・ムーア作品では柳下毅一郎訳で待望の『フロム・ヘル』も出ます。
恐らく『ウォッチメン』同様に、偏執的なまでに描き込まれたヴィクトリア朝世界が描写されることでしょう。
そう、ムーア作品は物語や人物だけではなく、その世界すら主役なのです。
その意味で本作『トップ10』も、軽快でユーモラスでありながらも、紛れもなくアラン・ムーアらしい作品と言えましょう。


トップ10 (AMERICA’S BEST COMICS)

トップ10 (AMERICA’S BEST COMICS)