days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

真実の横たわるところ


さ、冬休み初日。掃除もしなくてはと思いつつ、つい時間を見付けて、さっさかと日比谷まで映画を観に行って来ました。
スウィート ヒアアフター』のアトム・エゴヤン監督&脚本の最新作、『秘密のかけら』(Where the Truth Lies)です。


1950年代アメリカ。人気絶頂の漫談コンビ(ケヴィン・ベーコンコリン・ファース)のホテルの部屋で、美しいメイド(レイチェル・ブランチャード)の全裸死体がバスタブで見付かる。事件は闇に葬られたが、15年後に若いジャーナリスト(アリソン・ローマン)が事件の真相に迫ろうとする。


ゴヤンらしく、観客を迷宮にいざなうミステリー映画ですが、結構ユーモラスだったり。
笑っている人が殆どいなかったのは、皆、マジメな映画と構えていたからでしょうか。


モチーフは『不思議の国のアリス』。劇中劇としても出て来ますが、そこで歌われるのが何とジェファーソン・エアプレインのドラッグ名曲『ホワイト・ラビット』!!
映画はさしずめ、華麗なるショウビズ界版『不思議と官能の国のアリス』とでも言えましょう。


可笑しいのは、「私は自分をコントロール出来る」などと言っているのに、すぐに男とも女とも寝てしまうアリソン・ローマン。幼いときの役もやっているのは、ロリコン顔の本領発揮です。子役場面とまるで違和感が無いのが笑えます。


終盤にある3P場面も際どいけど可笑しくって、でもそれで北米では成人指定になってしまったのですよね(ま、それ言ったら日本でも成人指定だけど)。その場面でのコリン・ファースの反応も、可笑しくも哀しくてグッド。


ファースも良かったけど、ケヴィン・ベーコンって今ノリにノッてますね。微妙な表情や仕草が本当に自然で。観ていて惚れ惚れします。
こういう演技をする人は重宝がられるけど、賞には無縁なのでしょうね・・・。
アメリカ人の大好きな、如何にも演技でございのジャック・ニコルソンアル・パチーノロバート・デ・ニーロらのアプローチとは対照的だもの。


世評は芳しくないし、好き嫌いも分かれそうな映画ですが、まずは気に入ったと申し上げておきましょう。