新兵ライアンの救出
久々にホームシアターにて映画を堪能しました。
何せこのところ、昼間も遮光カーテンも引いて室温を上げないようにして、おせち料理の保冷庫と化していて、映画や音楽を楽しむどころではなかったのですから (-_-;
で、上映したのは新作『ミュンヘン』公開も間近のスピルバーグの問題作『プライベート・ライアン』(Saving Private Ryan)です。
戸田奈津子の字幕ではPrivate Ryanは「ライアン二等兵」となっていますが、舞台となっている第二次世界大戦当時のアメリカ軍では「Private」は「一等兵」と訳すのが正しいとか。最もこの誤訳は戸田奈津子のせいだけではなく、配給のUIP側の調査不足とも思われますが。かく言う私も、映画ファンサイトで知った訳です。
とまれ撮影・編集・音響技術の非の打ち所の無さは言うに及ばずで、これ以降の戦争映画のあり方=撮り方まで変えてしまった点でも、映画史に残る作品です。
さらにサウンド・デザインに関しては、その緻密さも含めて記念碑と呼ぶに相応しい。
それにしても購入当時の高画質(わざと映像を汚しているので異論はありそうですが)・高音質タイトルも、今見ると輪郭に付くノイズや、録音レヴェルの低さが気にならなくもありませんが、やはりDVDとして良く出来た製品だと思いました。
何度観ても問題だと思う、映画の構成や脚本のアンフェアさ、不出来さが気になりますが、スピ氏のシリアス路線ものの代表作なのは間違いありません。
・・・というのは当然として、この映画、個人的には鑑賞するのに覚悟がいる作品でもあります。
3時間近い上映時間もそうですが、まぁその、戦闘場面になるとイヤ〜な映像の連続ではないですか。
なので、きちんと最初から最後まで観るのは何年振りか。
で、本日の目当ては、後のスター候補生が何人も顔を出しているので、その確認及び再確認になります。
ヴィン・ディーゼル、バリー・ペッパー、ジョヴァンニ・リビシ、ポール・ジアマッティ、それにタイトル・ロールの新兵ライアンにはマット・デイモン。
最近の個人的ご贔屓ジアマッティはこんな役だったのね、というのが今回の収穫。
みんな、何だか初々しいのですよね。だからトム・ハンクスとトム・サイズモアの貫禄が引き立つのでしょう。
そんな中で、ジアマッティ1人が今と変わらずしょぼくれているのが可笑しい。
『シンデレラマン』のキャラとダブって見えました。
こういった映画の見方も楽しいものです。
最近余り面白くないジョン・ウィリアムズの音楽の中でも、好きな部類に入ります。
やはりこの人、メロディ・メーカーとして群を抜いていますね。
ボストン交響楽団の演奏も、タングルウッド音楽祭合唱団の混声コーラスも美しく、耳に残ります。