days of cinema, music and food

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プライドと偏見


可愛らしい映画を観て来ました。
ジェイン・オースティン原作の映画『プライドと偏見』(Pride & Prejudice)です。


お互いの誤解が元で、仲違い/すれ違い/身分違いの若い男女が、最後に結ばれるまでを描いた作品です。
丁々発止でやり合う男女の台詞の応酬や、人々の巻き起こす騒動が笑えます。
公開初日にも関わらず劇場は半分程度の入りでしたが、観客のリアクションは良かった。
上質のロマンティック・コメディとしてもっとみんなに観て貰いたい映画なのですが、時代ものは売るのは難しいのでしょうね。


有名な原作は未読ですが、BBCでドラマ化された『高慢と偏見』は観ています。


高慢と偏見 [DVD]

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コリン・ファースが極め付けミスター・ダーシーを演じていた、あれです。
5時間のドラマですが、テンポも良く大変面白かった。
あちらに比べると映画版はリーダーズ・ダイジェスト並の展開ですが、2時間強の映画にまとめるにはこれで良かったのではないかと思いました。
ファースのイメージが強いかのダーシー氏を演じていたマシュー・マクファディンも、プライド高く冷たい(ようで実は誠実で思いやりに溢れている)大富豪として、予想以上の好演でした。


え?キーラ・ナイトレイ
そりゃ良かったですとも、えぇ。
利発的で知的で皮肉屋、ダーシー氏を偏見の眼で見ているエリザベス・ベネット役にぴったりでした。
現代風な女性像ですが、舞台となっている19世紀当時のイギリス小説の主人公でもあるのだから、当時から理想の女性像に近いものではなかったかと。
ですから現代っ娘のナイトレイにも元々合う役だったと思うのです。
こういう役を演ずる時、彼女は活き活きとしています。


オースティンものを観ていていつも感じるのは、当時の女性が置かれていた境遇の大変さ。
女性は遺産も継げないので、嫁ぐしか幸せが無かったのです。
ならば資産家の方が良い。
ですから結婚の意味が現代とは比べようも無く重かった。
幸せな結婚でハッピーエンドの物語でも、背景が現代と違う。
それでも愛する伴侶探しの物語は、現代でも通じる普遍的なテーマなのです。


ところで、『コンタクト』でジョディ・フォスターの子供時代を演じていたジェナ・マローンが、きゃぴきゃぴ(←死語)の尻軽軽薄妹を演じていてびっくり。
そういや『コールド マウンテン』でも、ちょっとイメージが違う役を演じていましたね。