days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

North Country


来週で終わってしまうので、贔屓のシャーリーズ・セロン主演作『スタンドアップ』(North Country)を観て来ました。
実際にあった、鉱山でのセクハラ訴訟を基にした映画です。
シャーリズはありとあらゆる酷い目に遭わされ、遂には立ち上がるヒロインを演じています。


『モンスター』に続いてのシャーリーズの汚れ役・・・って、こっちは鉱山労働者役なので、本当に汚れているだけですが。


この人、すっかり演技派も板に付いて来ましたね。
元々美貌とスタイルだけではなく演技も悪くない人でしたが、『モンスター』での連続殺人犯役で大化けしてから、「役者」としての勢いがあります。
本作では、その今の勢いが画面から伝わって来る熱演です。
元々好きな女優でしたが、まさかここまでの人になるとは。


こういうスターを同時代的に観られるのも、映画ファンの幸福でしょう。


彼女だけではなく、シシー・スペイセクウディ・ハレルソンショーン・ビーンフランシス・マクドーマンドら、達者や役者たちがずらり脇を固めていて、彼らの演技も見応えがあります。
ショーン・ビーンは善人役なのですが、何だか久々に良い人役を観た様な気がしました。
大作では悪役を任されるもとが多いですものね。最近は『ナショナル・トレジャー』や『アイランド』といった凡作ばかりで可哀相でしたけれども。今週末から公開の『フライトプラン』でも、あんまり良い人役で無さそうな予感がします。
それはそれで楽しみです。


映画で執拗に描かれる男たちのおぞましい行動は、自らが築いた城を守りたいという本能が卑劣な手段で出たということなのでしょう。
男たちにとっては、女は男だけの心地良い世界での邪魔者でしかなかったのです。
その視点は、炭鉱生活が長いヒロインの父を通して描かれています。


諸手を挙げて褒めちぎる程の出来ではありませんが、中々の力作。
レンタルでも良いから観て損は無い作品です。