days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

A Sound of Thunder


スポーツ・ジムで汗を流した後のレイトショー鑑賞です。
サウンド・オブ・サンダー』を観て来ました。


原作はレイ・ブラッドベリの名作SF短編『雷のような音』(『太陽の黄金の林檎』収録)です。ブラッドベリの恐竜関係の短編や詩ばかり集めた短編集『恐竜物語』では『いかづちの音』というタイトルでした。
前者の小笠原豊樹訳も素晴らしい、美麗文の本ですが、後者の伊藤典夫訳も読み易く、またメビウス、ステランコ、ウィリアム・スタウト(この人、映画『バタリアン』のゾンビ・デザインを手掛けていました)ら有名アーティストのイラストも多数収録、紙質も良く、お薦めです。それに序文をもう1人のレイ、レイ・ハリーハウゼンが書いていますしね。ご興味ありましたら、お手に取ることをお薦めします。


さて映画の方はと言うと、古代にタイムスリップしての恐竜ハンティングという大掛かりな設定ながら、ワン・アイディアで作られた短編です。それをどう長編映画にしているかというと、設定だけ借りて全く違うアプローチをしています。
つまり、B級SFホラー/スリラーになっています。


これが実は面白い。
いや、行き当たりばったりでご都合主義の脚本や、今のご時世にこれは如何なものかという恐竜CG(『ジュラシック・パーク』よりもレヴェルが低い!)、粗い合成続出であっても、です。


監督はご贔屓ピーター・ハイアムズ
1970年代から1980年代にかけて、『カプリコン・1』、『アウトランド』、『2010年』、『プレシディオの男たち』、『シカゴ・コネクション/夢見て走れ』(原題は「怯えて走る」なのに・・・)など、面白いSF/アクションを手掛けた脚本・監督です。
ドン・シーゲル監督、チャールズ・ブロンソン主演の『テレフォン』などという、面白いスリラーの脚本も書いていました。
撮影監督も兼任ですので、映像のこだわりも確かです。


近年は『タイムコップ』、『エンド・オブ・デイズ』など、完全に雇われ監督となっていて、ちょっと寂しいのですが。オリジナルで一花咲かせてもらいたいものです。


さて映画ですが、その場その場で楽しませる手腕は確か。
R指定を逃れるべく、残酷場面などは無くとも、それなりに安心してヒヤヒヤさせられます。
1800円だったら高いでしょうが、レイトショー1200円で観るのだったら全く損した気にはなりません。


出演もエドワード・バーンズベン・キングズレーキャサリン・マコーマック(近年の老けぶりが寂しい・・・)以外は全く知らない顔ですが、それもまたB級映画


ビデオでも良いので、お試しあれ。


そういえば、ピンク・フロイドのライヴ・アルバム『光 パーフェクト・ライブ!』は、原題が「Delicate Sound of Thunder」だったのを思い出しました。映画とは全く関係ありませんが。