days of cinema, music and food

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Chariots of Fire


DVDで購入した『炎のランナー』を鑑賞しました。
1924年パリ・オリンピックを舞台にしたこの映画を観るのは、20年近く振りでしょうか。


原題の「chariots」(戦車=車輪)は、ハロルドとエリックの2人のこと。ケンブリッジ大学生のハロルド(ベン・クロス)は、ユダヤ人に対する偏見と闘う為に、宣教師であるエリック(イアン・リチャードソン)は神への愛の為に走ります。



アカデミー賞作品賞受賞作ということで、公開当時は単純な感動作として宣伝していたかと思いますが、実は一筋縄ではいかない映画です。階級社会、信仰などを織り込んでおり、日本人には感覚的に分かりにくいところもあちこちにあります。


しかし、スポーツの素晴らしさを捉えた映画として、私はこの作品が大好きです。


冒頭、ヴァンゲリスの超有名で誰でも知っているあのテーマ曲に乗って、海辺を走る若者たちのスローモーション映像からして素晴らしい。


全編、台詞だけに頼らずに、スポーツを的確に捉えています。
100メートル競争でスタートラインに付く各選手たちの緊張した肉体。
走る喜びの表情。
走っているときに神の愛を感じるというのは、すなわち純粋なスポーツの喜びでもあるのではないでしょうか。


映像だけではなく、ヴァンゲリスの音楽もシンセサイザー中心でありながら無機質ではなく、人間の肉体を見事に表現しています。


コーチ役のイアン・ホルムも素晴らしい演技でした。
クラシカルで品の良い衣装と、デイヴィッド・ワトキンの美しい撮影も見所です。