days of cinema, music and food

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Inside Man


スパイク・リーの新作『インサイド・マン』初日に行って来ました。
レイトショーだとワールドカップ中継に重なるので夕方からの回に行ったのですが、同じような思いの人がいたからか、劇場は9割方埋まっていました。
って、話題作だから混んでいたと思いたいのですが。


スパイク・リー作品らしく、舞台は当然ながらニューヨーク。
人質多数を取った銀行強盗事件を描くスリラーは、脚本が中々巧妙な出来で楽しめました。
普通の娯楽映画としても面白いのですが、挿入される小さな人間模様がスパイク・リーらしい。
人種差別の警官、雑多な人種、中東系への差別など、犯罪スリラーを邪魔しない程度の描写に切れがあります。


とは言え、純然たるスリラーとしてどうかと言うと、序盤でぐぐいと来た緊張感が、中盤以降薄れ気味になっていきます。
ですから、暴力描写やアクションに頼らない、物語展開の面白さで見せてくれる作品になっていたと言えましょう。
ここは脚本家ラッセル・ジェウィルスの功績もたたえたい。


刑事役デンゼル・ワシントン、殆どサングラスとマスク姿の強盗団リーダー役クライヴ・オーウェン、銀行の会長役クリストファー・プラマー、会長にとある任を受けた弁護士役ジョディ・フォスターと、役者はずらり揃っています。
現場の突撃班を指揮する警官役ウィレム・デフォーは、余り個性が生かされていなかったのが残念。


贔屓のジョディは冷血で野心家の弁護士役がぴったり。
この人、出てくるだけで緊張感があるので、もうラヴストーリーとかは演じられないのではないでしょうか。
スリラーにぴったりの大女優となりつつあるようです。


贔屓と言えばクリストファー・プラマー
最近、『シリアナ』、未見だけど『ニュー・ワールド』と、今年公開された作品も3本目になります。
サウンド・オブ・ミュージック』のトラップ大佐もすっかりおじいさんになりましたが、未だに上背をしゃきんとさせて、威厳たっぷりです。


彼らの重量感が作品の重量感に繋がったような気がします。