days of cinema, music and food

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The Omen (2006)


時間を縫って、リメイク版『オーメン』を観て来ました。
もちろん、リチャード・ドナー監督による1976年のオリジナル版は随分と前に観ています。


オリジナル版は、悪魔の子ダミアンを知らずに育てることになった大使夫妻が遭遇する恐怖を描いた、オカルト映画の大ヒット作でした。
デイヴィッド・セルツァーのミステリ趣味に溢れた脚本が、成功の要因だったように思えます。
もちろんリチャード・ドナーの手堅い演出も良かったのですが、何と言ってもジェリー・ゴールドスミス混声合唱を多用した大迫力音楽の威力が凄まじかったのです。


さて今度のリメイク版は、どういう経緯か分かりませんが、セルツァーを再び脚本家として起用し、物語ばかりかショック場面も忠実になっています。
串刺し場面は派手になっていますが、当時話題になったという首切断のくだりはアレンジされていてちょっと意表を突かれたかも。
でも段取りはやはりオリジナル版に軍配が上がりましたね。


オリジナル版に殆ど忠実となっては、ジョン・ムーアの演出よりもリチャード・ドナーの演出の方が良かったと分かってしまうのが難点でしょうか。
脚本がクラシカルな作りだし演出も正攻法なのに、悪夢の場面などはコケオドシが効いていて、そこだけ急にMTV調になってしまうのも違和感がありました。


音楽はゴールドスミスを師と仰ぐマルコ・ベルトラミ
正攻法オーケストラ音楽で中々迫力はあったものの、オリジナル版を知っているともう少しメロディラインに明確さが欲しかった。
巨匠とは違うアプローチに意気を感じましたが。
そのゴールドスミスの曲はエンドクレジットの後半に登場し、巨匠への敬意が感じられたのでした。


オリジナル版を観ていなければ、結構楽しめる映画だったかも知れません。


ところで主要な舞台はロンドンなのだけれど、撮影は今流行りのプラハ
最近のハリウッド映画は、ヨーロッパが舞台だとプラハ撮影が多いのです。
理由は安い賃金で優秀なスタッフが揃い、スタジオの経費も安いから。
この映画の場合、イスラエルの場面もプラハだとは・・・。