days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

United 93


会社帰りにダッシュで帰宅、そのまま車に飛び乗ってシネコンまで直行!と相成りました。


ようやく観られた『ユナイテッド93』。
あれれ、3夜連続重苦しい社会派「テロ」または「暴力」映画ですね。
こうなるとさすがに軽くて楽しい映画が観たくなります。


さて前評判は高い本作、滑り込みセーフで本編が始まったものの、寝不足(=夜更かし)で空腹の私には眠くて仕方ありませんでした。


名前の顔も知らない役者たちが演ずるのは、どれも実在の人物ばかり。
中には本人が本人を演じているものもあります。
彼らは日常の生活・会話を演じているので、生活描写や会話はどれも一貫性の無い断片ばかりです。
つまりはリアリズム重視のドキュメンタリ・タッチという訳。
ですから、ややうつらうつらしていると、徐々に映画は緊張感を高めていきました。


次々とハイジャックが起き、貿易センタービルに次々と旅客機が突っ込むに至って、民間や軍の管制塔に混乱が広まっていきます。
こういった描写は見事。
ポール・グリーングラスは前作『ボーン・スプレマシー』同様に手持ち撮影を駆使・・・というか、ほぼ全編映像がぐらぐら揺れます。
空腹な上に軽い酔いで少々気分が悪くなって来たことも告白しておきましょう。


しかしこの臨場感は凄い。
ライド映画を2時間ぶっ続けで見せられるようなもの。
名前も分からない乗客たちが自分たちの逃れられない死を覚悟して立ち上がるクライマックスなぞ、思わず腕に力が入ってしまいます。
これだけのモザイク状に描かれた状況を1本の映画にまとめ上げた点で、ポール・グリーングラスの脚本・演出の力量のほどがよく分かります。


ユニヴァーサル映画なので、恒例の本編上映後にユニバーサル・ランドの広告として「さぁ映画の世界に飛び込もう」が映し出されます。
少なくとも、私はこんな世界に飛び込むのはごめんです。


つらい内容なので2度観たいとは思えませんが、必見の映画と言えましょう。