days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

The Omen (1976)


堂島ロールを食べながら、DVDで『オーメン』を鑑賞しました。
もちろん、凡作の2006年版ではなく、オリジナルの1976年版の方です。


観直すのは、およそ20年振りくらいでしょうか。
オリジナル版に忠実なリメイク版も劇場で観ているし、30年前の映画だし、記憶と違って詰まらなかったら・・・と、実は左程期待していなかったのです。


ところが、これが本当に面白かった。
こうして観ると、殆ど同じ脚本を使っているリメイク版は本当に凡作としか言いようが無いですね。


CGを使った派手な惨劇場面の1枚の「絵」的な迫力はオリジナル版に軍配が上がるでしょう。
重度の火傷でグロテスクに変貌した神父の面相メイクなども、オリジナル版に比べてチャチな面は否めません。
でも、惨劇場面1つ取っても、段取りや雰囲気は圧倒的にこちらの方が上で、スリルやサスペンスも充分です。
妙にかったるかったリメイク版に比べ、テンポが段違いに良い。
やたらチャカチャカしたリメイク版よりも、堅実なオリジナル版の方が、無駄な場面も一切無く、出来映えは段違い。
リチャード・ドナーの手堅くもツボを抑えた演出と、名編集者スチュアート・ベアードの功績は大です。
横長画面を使いこなした映像も素晴らしい。
さすが名手ギルバート・テイラー


自身唯一のアカデミー賞受賞の音楽は、もちろんジェリー・ゴールドスミス
オケとコーラスだけかと思っていたら、モーグシンセなども使っていますね。
この圧倒的迫力は、映画史に燦然と輝く素晴らしい音楽だと思います。
クラシックでも現代音楽でも無い、オリジナリティ溢れるスコアです。
アヴェ・マリア』ならぬ『アヴェ・サタニ』の邪悪な調べは、耳に憑いて離れません。
よく、『アヴェ・サンターニ』と書いてあるサイトや文献がありますが、『サンターニ』ではなく『サタニ』ですよ。
お間違え無く。


グレゴリー・ペックの終始深刻な顔は、大スターがもたらす効果もあって映画に荘厳さと陰鬱さを加えていますし、ご贔屓リー・レミックはやはり美しい。


レンタルショップにリメイク版と一緒に並んでいるのでしたら、断然こちらをお薦めします。


オーメン オリジナル・サウンドトラック

オーメン オリジナル・サウンドトラック