days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

The Departed


本日初日の期待の大作『ディパーテッド』を観て来ました。
2館上映のレイトショー、小さい方の小屋はほぼ満席。
期待のほどを伺わせます。


オリジナル版の『インファナル・アフェア』にほぼ忠実なリメイク版は、上映時間が随分と長い。
その長さとは、警察とギャングへの潜入の様子を描くことに費やされています。
ここがリアリズム重視のハリウッド映画らしいというか。


オリジナル版序盤にあったギャングの取引と、それを監視して決定的瞬間に踏み込もうかとする警察側の場面が登場するのは、ようやく中盤になってから。
でもあの場面はオリジナル版の方がスパイ映画のようでスリリングでした。
やはりスコセッシはスリラーの監督とは違うな、と。


しかしながら意匠を凝らしたテクニックと膨大なロック音楽の使い方など、マーティン・スコセッシらしい作品。
スピードと突発的暴力の恐怖、黒い笑いが疾走する様はスコセッシ印。
個人的には後半になって失速したオリジナル版より、こちらの方を買います。


レオナルド・ディカプリオマット・デイモンマーク・ウォールバーグと、似た顔の俳優が揃っている珍しい映画でもあります。
こういった眺め方も映画の楽しみかと。


オリジナル版以上の暴力描写と大量出血によってR-15指定となっています。
あとは電動コケシが映るからか。
あれもギャグとして可笑しかったけど、劇場では誰一人笑っていなかったのが残念。
笑いと言えば、結構可笑しい場面や台詞が大量にあったのに、笑っている人が少なかったな・・・。


それにしても、スコセッシはローリング・ストーンズの『ギミー・シェルター』が本当に好きですね。
グッドフェローズ』『カジノ』でも使っていたのに、本作では冒頭でも鳴り響きます。
ピンク・フロイドの名曲『コンフォタブリー・ナム』は、ヴァン・モリソンロジャー・ウォーターズザ・バンド演奏によるベルリンの壁崩壊記念コンサート『ザ・ウォール ライヴ・イン・ベルリン』からの演奏。
オリジナル演奏でない、こちらというのがザ・バンドと縁のあるスコセッシらしいというか。
ハワード・ショアによるスコアも、まるでマカロニ・ウェスタン調なのが意表を付いていて面白かったです。


上映時間も2時間半と長いし、おびただしい血が流れ、大量の人が死ぬ映画ですから、胃袋の調子を整えて、血のしたたるステーキに向かう気持ちで劇場に臨むのが良いでしょう。


スコセッシの次回作は念願の『沈黙』映画化。
原作は遠藤周作の小説です。
主役はレオナルド・ディカプリオがやるのかな・・・。


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