Edita Gruberova sang!
東京文化会館まで『エディタ・グルベローヴァ オペラ・アリアの夕べ』に行って来ました。
14時からの開演ですが「夕べ」とな何事ぞや、などという突っ込みは野暮というものでしょう(名古屋は夜みたいですけれどもね)。
公式サイト:http://www.nbs.or.jp/stages/0704_gruberova/index.html
生で聴くグルベローヴァは凄い!
いやもうびっくりです。
普通オペラ歌手は還暦を過ぎると声は低くなるし、声量も含めて衰えてくるものですが、彼女は違いました。
大ホールのSS席、最後尾列中央の場所だったのですが、ソプラノの高域が耳にビリビリ響くのです。
グルベローヴァが、いや人の声って本当に凄いですね。
これはCDでは分からない。
単純に感動してしまいます。
技術的にはやはり大物の貫禄というか、安定した音程やテクニック、そして何よりも観客席を楽しませ、自分も楽しんでいるかのように思わせるのが素晴らしい。
複雑なモーツァルトも完璧に歌いこなしていました。
それでもテクニックに走らず、「歌って」いる。
こういう声を聴けるのも至福のときです。
コンサートはオケのみの演奏、グルベローヴァ独唱、バリトンのイヴァン・パレイ独唱によるものです。
- 歌劇『ロベルト・デヴリュー』序曲 (オーケストラ)
- 歌劇『ランメルモールのルチア』より 狂乱の場“苦しい涙を流せ”(グルベローヴァ)
- 歌劇『ノルマ』より 序曲 (オーケストラ)
- 歌劇『ノルマ』より“清らかな女神よ”(グルベローヴァ)
■エルマンノ・ヴォルフ・フェラーリ
- 歌劇『4人の田舎娘』より 序曲と間奏曲 (オーケストラ)
- 歌劇『スザンナの秘密』より 間奏曲と序曲 (オーケストラ)
- 歌劇『ドン・パスクァーレ』より“天使のように美しい”(パレイ)
アンコール
■ガエターノ・ドニゼッティ
- 歌劇『こうもり』より “田舎娘の姿で”(グルベローヴァ)
このアンコール2曲目が絶品でした。
茶目っ気たっぷりでユーモラス。
コメディエンヌの才能があるとは。
場内大爆笑でした。
最後に笑いで締めるのも楽しい印象を残しました。
よく考えると、優秀なオペラ歌手は優秀な俳優でもあるのですから、当然と言えるのかも知れません。
それでも予想外に嬉しいデザートを頂きました。
何度も何度も拍手に呼ばれて挨拶するグルベローヴァは、アイドルと同じですね。
にこやかにサインや花束に応じる彼女は、アイドルそのものだと思いました。
ところで1曲終わるごとに「ブラボー!」と安易に叫ぶ輩がいるのはどうかと思いました。
大体にして、女性なのだから「ブラヴァ!」でないかと。
東京文化会館は初めてでした。
酒類も売っているので、開演前はシャンパンを、途中休憩中にロゼをグラスで頂いたのも、贅沢な気分で結構でした。