days of cinema, music and food

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Fever Pitch


同僚のNさんお勧めの映画『2番目のキス』をツタヤから借りて観てみました。
これ、前から観たかったんです。
コリン・ファース主演の『僕のプレミア・ライフ』のアメリカ版リメイクですね。
だってレッドソックス・ファンが主人公の映画なのですから。
オリジナルではサッカーが題材だったのに、アメリカ版はMLB、しかもボストン・レッドソックスになっているのが可笑しいです。


舞台はボストン。
冬に知り合ったキャリア・ウーマンと高校教師。
彼は優しくてユーモラスで理想の恋人。
でも何で30歳過ぎなのに未だに独身?
その疑問は球春がやってくると溶けます。
彼はレッドソックス・ファンの典型。
つまりは超の付く熱狂的ファンなのです。


自虐的で心配性、でも熱烈なレッドソックス・ファン気質がよく出ていて、かなり笑えます。
始球式の場面では、レッドソックス命のスティーブン・キングが2ショットだけ登場するし、ジェイソン・ヴァリテック、当時の「The Idiots」一員だったジョニー・デーモントロット・ニクソンらも出演。
フェンウェイ・パークの場面も多いし、撮影時期が2004年ということもあって、当時の実際のペナントレース及びプレイ・オフの結果も取り入れられ、レッドソックス・ファンには楽しい映画となっています(無論、カート・シリングの「血染めのソックス」登板もあり)。


映画としてはドリュー・バリモアはコメディに相応しいけれど、相手役のジミー・ファロンは今ひとつピンとこないというか。
サタデー・ナイト・ライブ』での彼は知らないのですが、多分芸風はかなり映画とはちがうのでは。
ファレリー兄弟の演出は可も無く不可も無くといったところですが、この映画の面白さはレッドソックス・ファンの「生態」を細かく描き込んだ脚本にあるように思いました。
落ち込んだ主人公が、ビル・バックナーの「世紀のトンネル」*1を繰り返し観る場面とかサイコーです。
でもこういったネタは、ファンかMLB好きでないと伝わらない恐れがあるのも事実。
そういったところで、「日本においては」かなりマニアックな映画とも言えます。


*1:1986年10月25日。レッドソックス3勝、メッツ2勝で迎えたワールド・シリーズ第6戦。メッツの本拠地シェイ・スタジアムにてレッドソックス2点リードの延長10回裏、ワールドチャンピオンまであと2アウトというときにメッツに追いつかれ、さらになんでもない1塁正面のゴロを、1塁手ビル・バックナーがトンネル。メッツは劇的なサヨナラ勝ちを収め、続く第7戦もメッツが制した。これにより、2004年までレッドソックスバンビーノの呪いは続くこととなる。