Hannibal Rising
昨日と同じく、ノースポートにて2本目の映画鑑賞。
今度はレイトショーにて『ハンニバル・ライジング』です。
トマス・ハリスによるレクター博士シリーズ最新作は、最近流行りのプレクエル。
若き日のハンニバル・レクターを描いています。
脚本もハリス本人が手掛けており、さてどんなものか。
物語は第二次大戦中に幼い妹を食った民兵たちを、成長した青年レクターが復讐として次々と殺害していく様を描いています。
『ハンニバル』原作版でも触れられていた通り、少年時代の凄惨な体験がレクターのカリバニズムの発端となっていますが、どうにも説得力が弱い。
筋も相当に粗っぽく、飛躍が感じられます。
これは全体に登場人物の心情が説明不足で現実味に欠け、説得力が無いからです。
よくあるプロットをグロテスクでショッキングな意匠で彩る趣向は、トマス・ハリスらしいもの。
しかし本作に於いてはそれが上手くいっていないように思えました。
ピーター・ウェーバーの演出は残虐場面を見世物的に撮っていないし、風格はあります。
良く言えば重厚。
悪く言えばケレンに欠けています。
というか、この程度の内容をカッコ付けて撮るのはどうなのでしょうか。
何の工夫も無い単なる復讐ものを、血みどろスラッシャーで味付けした程度の映画なのに。
もっとも、そもそもこの程度の内容にこの監督を起用する辺りに、ラウレンティスの背伸びが感じられるのではありますが。
ギャスパー・ウリエルはちょっと大袈裟。
コン・リーは相変わらず美しいですねぇ。
妙に気になる怪優リス・エヴァンスは、お得意の粘液質悪役を熱演していました。
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原作を読まないで映画を観た、このシリーズ初めての作品。
今度読んでみようかなぁ。
映画版にあったアヤしげなジャポニズムも、きっと原作からしてあるのだろうなぁ。
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