days of cinema, music and food

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Pirates of the Caribbean: At World's End


昨日木曜夜から先行上映が行われていた『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』。
会社も定時でひけたので、公開初日の金曜レイトショーに出掛けました。
真新しいシネコンは3割程度の入り。
平日だからでしょう。


6部作などと言われていたこのシリーズ、取り敢えずはこれでひと段落、という物語になっています。
ウィル・ターナーオーランド・ブルーム)とエリザベス・スワン(キーラ・ナイトレイ)の若き恋人たちを軸に、狂言回しとでも呼ぶべきジャック・スパロウ船長(ジョニー・デップ)が絡む展開はこれで最後でしょう。
フィナーレとばかりに上映時間も3時間弱、殆ど切れ目無しに大掛かりな場面が続き、まァサーヴィス精神旺盛なこと。
終盤の迫力満点で高度な特撮を駆使したアクションのつるべ打ちや、意表を付く展開で、娯楽大作として観客を満腹にさせようとするのは誠結構なことです。


しかしこのシリーズ共通なのは、ごたごたしているだけのヘタクソ脚本と、ゴア・ヴァービンスキーというどうでも良い無個性監督の締まりの無い演出。


本作もそれらの例に漏れずの出来。
よって帆船アクションやグロテスクなクリーチャーの造形など、高度な特撮と賑やかな俳優の面々で楽しめるものの、全体的には水増しで誤魔化されているような気がして、映画としての満足度とは程遠いのです。
誰が味方で敵など分かり切っているのに、余計な小細工で装飾した脚本を面白がっている自己満足気味のスタッフのレヴェルで、この映画の完成度も推し量れようというもの。


笑える場面は殆ど無くなり、コミカルな雰囲気が減ったのもマイナス。
前作の細かいところまで覚えていなければ分からないエピソードが多いので、それぞれ劇場で1度しか観ていない私としては、記憶をたぐろうと最初は思いつつも観ていてどうでも良くなり、その努力も途中で放棄しました。
展開として期待を煽っていた大船団同士の戦いも無く、結局は一騎打ちだけなのは作り手としては卑怯でしょう。
ご贔屓スター、チョウ・ユンファの活躍が殆ど無いのも、個人的には大減点です。


やはり全体に大掛かりだけで大味で下手な、典型的ジェリー・ブラッカイマー映画の1本なのでした。


嬉しかったのはジェフリー・ラッシュの大活躍と、キース・リチャーズのカンロク。
ハンス・ジマーの音楽もこのシリーズの中で1番良かった。
珍しくシンセではなく本物の金管を使っています。


長い長いエンドクレジット後はお見逃し無きよう。


パイレーツ・オブ・カリビアン:ワールド・エンド オリジナル・サウンドトラック

パイレーツ・オブ・カリビアン:ワールド・エンド オリジナル・サウンドトラック