days of cinema, music and food

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Borat: Cultural Learnings of America for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan


巷で話題のコメディ・モキュメンタリー映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』の公開初日に行って来ました。
19時45分からのシネコンは3割程度の入りでしょうか。
思っていたよりも少ないのは、マニアックな知名度のせいか、はたまた丁度夕食の時間帯のせいでしょうか。


ユダヤ人追い祭りがあって、女性はすべからく売春婦である国カザフスタンの国営テレビリポーター、ボラット・サカディエフが、現代アメリカの突撃取材でアメリカ文化を学ぶべくチン騒動を引き起こす、という設定です。
ホテルのテレビで『ベイウォッチ』を見て、パメラ・アンダーソンに一目惚れしたボラットが、彼女に会うべくニューヨークからカリフォルニアの大陸横断をする、というメイン・プロットはあるにはありますが、基本的には短いスケッチの積み重ねの映画。
片言英語で喋るボラット成り切り演技のサシャ・バロン・コーエンを、本物のカザフスタン人と思ったアメリカ人たちが、人懐こい彼に自らの本音をつい喋ってしまうのが可笑しく、怖い。
人種差別主義や独善的国家主義、狂信的なキリスト教原理主義が垣間見えます。


・・・などと書くと堅苦しいのですが、とにかくこれはサシャ・バロン・コーエンの映画。
ボウボウの髪に口髭、いかにも人の良い笑顔で、ついころりと騙されてしまうのも仕方あるまいと思わせます。
大体にして彼が劇中で喋るカザフ語は、適当なポーランド語もどきらしいのですから。


個人的にはかなり笑える映画なのですが、観客を選ぶ映画でもあります。
ウンコやチンコや裸などの下ネタが多く、しかもアメリカ人たちのリアクションが本気なので、観ていてかなりヒヤヒヤさせられます。
やり過ぎだ、と思う人もいることでしょう。
ですからスリリングで笑えても、基本的にはどっきりカメラ的なこういった映画を好まない観客には、そもそもお勧めは出来ません。
そうでない人には大いに笑える映画であります。