Kingdom of Heaven: Director's Cut
Blu-ray Discで購入していた『キングダム・オブ・ヘブン』のディレクターズ・カットの鑑賞です。
映像コーデックはMPEG-2なのですが、これがかなりの高画質。
画質は必ずしもコーデックによらない、ということなのでしょうか。
キングダム・オブ・ヘブン ディレクターズ・カット (Blu-ray Disc)
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント
- 発売日: 2006/11/10
- メディア: Blu-ray
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劇場で鑑賞したときは、本家サイトに書いたようにさほど感心はしませんでした。
「わらしべ長者」云々と書いたように、主人公である鍛冶師バリアン(オーランド・ブルーム)の余りにも安易にことが運ぶ描写がどうにも説得力に欠けるものだったからです。
ところが40分以上も長くなったこちらは違う。
序盤からしてバリアンの失意がはっきりと描かれているし、その父であるゴドフリー(リーアム・ニーソン)の人物描写も増えています。
バリアンとエルサレム王国の妃シビラ(エヴァ・グリーン)のラブロマンスは、いかにもハリウッド的なもので、リドリー・スコットの興味も余りそちらに行っていないのは劇場版同様。
しかしシビラとその息子との衝撃的なエピソードが追加されたことによって、一人の母としての像がくっきりと浮き彫りになりました。
結果的にこのディレクターズ・カット版は、リドリー・スコット作品の中でもかなり上出来の力作ドラマに仕上がっています。
しかし残念ながら劇場版から修正されなかった箇所もあります。
本作の作曲家はハリー・グレッグソン・ウィリアムズなのですが、完成した映画にはジェリー・ゴールドスミス、マルコ・ベルトラミ、グレイム・レヴェルなどの他の作曲家の映画音楽が引用されています。
これらは映画オリジナルに曲に差し替えてもらいたかった。
さてBlu-ray Discとしての画質ですが、これが素晴らしい。
切れ味鋭い細部の描写に豊かな色彩。
リドリー・スコット作品らしく暗い映像も多いのですが、破綻無く暗部も描き出しています。
音声はDTSとドルビーデジタルのロスレスが収録されていますが、ロスレス対応アンプの発売はこれからなので、通常のDTSにダウンコンバートして再生。
こちらも高域と低域の伸びも良く、クリア。
丁寧に貼り付けられたサラウンドもかなり派手に回り込みます。
これらが一体となって映画への没入感も増します。
迫力満点の戦闘場面も緻密に描き出し、痛そうでこの上ない。
よって戦争の残虐さ、無慈悲さもよく出ており、映画のテーマも明確になります。
つまりは画質と音質が映画そのものを浮き上がらせているということ。
これはDVD-VIDEOとは別次元の体験です。
さてこちらは国内盤DVD-VIDEO。
キングダム・オブ・ヘブン ディレクターズ・カット [DVD]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント
- 発売日: 2006/12/01
- メディア: DVD
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リドリー・スコット、ウィリアム・モナハン、オーランド・ブルームによる音声解説付きというのは得点高いです。
が、北米盤にあった特典映像がバッサリ無いのは残念無念。
輸入版DVD-VIDEO。
Kingdom of Heaven - The Director's Cut (Four-Disc Special Edition)
音声解説はもちろんのこと、特典ディスク2枚付きの4枚組み。
ジャケットもカッコ良いし、これのBD版を出してくれい〜。
20世紀フォックスはBlu-rayの特典映像にまるで力を入れていないのですが、軌道に乗ったら特典満載盤を出すのでしょう。
『キングダム・オブ・ヘブン/ディレクターズ・カット』もそうなることを祈りたい。
もし特典満載盤が出たら・・・買いますとも、えぇ。
そうそう、先日観た『クィーン』で感心した、ブレア首相役のマイケル・シーンが、序盤にイヤ〜な役で出ていて、結構印象的でした。