days of cinema, music and food

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Face/Off


Blu-ray Discにて鑑賞しました。
ジョン・ウーアメリカ時代の最高傑作、『フェイス/オフ』です。


元々がSF映画として企画されたのを、SFをイヤがったウーが強引に現代劇にしたものですから、荒唐無稽なのは良しとしましょう。
随所に見られる単刀直入と安っぽさのある脚本が、諸刃の剣となっているのも良しとしましょう。
そういった「普通の」ハリウッド映画大作には観られない趣向と、ジョン・ウーの力強くもケレンたっぷりの演出でもって、香港映画とハリウッド映画が融合した一流の娯楽映画となっています。
複雑な設定であっても単純明快に善と悪の闘いに絞った脚本が、ウーの演出に合っているのです。


だから良いんです、体型がまるで違うジョン・トラヴォルタニコラス・ケイジが入れ替わっても。


女性陣の心理描写にまるで興味が無い旨、かつて本家レヴューでも書きましたが、久々に見直しても変わらず。
映画としての評価は揺るがないのですが、この畳み掛けるような見せ場の連続と盛り上げ、男泣きな展開と、いやいやこれはやはり傑作ですね。
138分という長尺もダレることなく充実したものとなっています。


ジョン・ウーはハリウッドでは段々と面白くない映画を発表するようになり、それで今は故郷に戻って赤壁の戦いを材にした映画を撮っているのでしょうね。。。


10年前の映画ですから、今更ながら気付いたり、知ったりすることもあるのです。
デスパレートな妻たち』のジェームズ・デントンが、ジェイミー・デントン名義でトラの部下役で出演しています。
若いけれども今と左程風貌は変わらず、精悍な面構えを見せてくれます。


Blu-rayソフトとしての評価ですが、画質は中々綺麗。
若干暗部がノイズっぽいときもありますが、余り気になりません。
明るい場面は問題無し。
解像度も色も自然です。
10年前の映画でもこれだけ高画質で収録してくれれば問題ありません。
フィルム・グレインが残っているのも、劇場で観ているかのようで好感度宜しい。


音声はリニアPCMで再生してみました。
私が所有しているDVD-VIDEOは1番最初に出たもので、ディズニーがスクイーズ収録に興味が無かった時代のもの。
ドルビーデジタル音声もぺらぺらで低域がまるで無く、銃声や爆発音も著しく迫力に欠けたものでした。
しかし非圧縮音声のBD盤は迫力満点。
細かく効果音が付けられているのも分かります。


また音響の演出効果も良い箇所がありますよね。
そう、かの有名な『虹の彼方に』の場面。
激しい銃撃戦の中、オリヴィア・ニュートン・ジョンの清らかな歌声がゆったりと流れる、あの場面です。
静と動がジョン・パウエルのスコアと『虹の彼方に』で描き分けられていて、クリアな音で一層際立ちます。


お陰様で今回の鑑賞は、一番最初に丸の内ルーブル(現:丸の内プラゼール)の大画面で観て以来の感動でした。
実はその後、今は無き渋谷パンテオンでも観ていますけれどもね。
スクリーンの大きさではあちらに敵いませんが、音質はむしろこちらの方が優れている筈ですし。


特典は無きに等しい。
予告編と言いながらもVIDEO用予告編が入っているだけですからね・・・。
今度北米はパラマウントから出るHD盤(BD及びHD DVDね)は2枚組なのに対し、このディズニーの日本盤の仕様は寂しい。
海外配給担当のディズニーと北米公開担当のパラマウントの共同製作映画とは言え、ここまで仕様が違って良いものなのでしょうか。


あまぞんさんでの50%引きで売っていたのに気付いて良かった良かった。
これ、BD盤で観たくてポイントの溜まっている店舗で探していたところだったんですよね。
ありがとう、あまぞんさん!


BD フェイス/オフ [Blu-ray]

BD フェイス/オフ [Blu-ray]