days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Premonition


『Next』の次に機内上映で観たのは、サンドラ・ブロック主演の超自然スリラー、『Premonitin』です。
例によってこれも吹き替え版。
しかも『Next』に続いて、これも時間軸が前後する話。
といってもこちらはもう少し複雑で、混ざり合う時間軸の只中に投げ込まれた主婦の話。


夫と2人の娘と共に幸せに暮らす平凡な主婦のリンダ。
だがその幸せは夫の交通事故死で崩れ去ってしまう。
最愛の夫を突然失ったリンダは、混乱する時間の中に放り込まれてしまう。
今日が夫が生きている曜日かと思ったら、ひと眠りすると既に夫の死去後数日経っていることになったりするのだ。
混乱する彼女を、周囲は夫の死を認めない狂気と捉えてしまう。
狂っているのはリンダなのか。
それとも時間なのか。


序盤の掴みはOK。
ひょっとしたらヒロインは狂っているのかも知れないと思わせる手法は、常套とは言え興味を持続させます。
監督のメナン・ヤポーというドイツ出身の人は初めて知りましたが、緊張感と不安感を煽って中々です。
サンドラ・ブロックも中々の熱演。


「Premonition」とは、予兆・予感といった意味。
混乱しつつも、ヒロインが自分が体験した曜日を紙に書き出し、事件を曜日に記入し、次に来るであろう曜日を推測しならがも行動し始めるというのが面白い。
いかにもアメリカ的合理主義な主人公です。
脚本のビル・ケリーは『タイムトラベラー/きのうから来た恋人』というSFも書いているので、時間に興味のある作家なのでしょう。


夫の事故をひょっとしたら未然に防げるかも知れないと行動する終盤は、結構緊張感が盛り上がりますが、その後のラストはどうにもダマされたような気がしました。
クライマクスの前にヒロインが神父に会いに行き、正直に事情を説明し、教えを乞う辺りからナニやら予感はしていましたが。


最後にああなって未来への希望が出来たとは言え、映画としてそれで良いのか!と思ってしまいました。
ここに来て映画は急に説教臭くなり、「最後はやっぱり愛」という如何にも安易なアメリカ映画調になってしまったのは残念。
もっと違うことも出来たろうに。


日本では劇場公開されるかどうか分かりませんが、サンドラ・ブロック主演なので最悪でもDVDで観られることでしょう。