days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Miss Potter


三連休中日の日曜日。
ミス・ポター』を観に行って来ました。
21時前からのレイトショー、小ぶりなシネコンの小屋は8割の入り。
地味な題材ながら、中々の健闘ではないでしょうか。


レネー・ゼルウィガーが演じるのは、ピーター・ラビットの作者ビアトリクス・ポター
30歳過ぎまで独身で、裕福な両親の元で暮らす女性という設定ですが、1902年のイギリスはまだまだ封建社会
そんな中で、彼女が絵本作家として成功し、経済的・精神的に独立していく様が描かれています。
出版元の編集者ノーマン・ウォーン(ユアン・マクレガー)との初々しい恋も絡めながら、ゆったりとしたクリス・ヌーナンの演出は心地良い。
最近の映画に珍しく、90分強という上映時間もコンパクトながら、せかせかしたところは微塵もありません。
自然保護のメッセージも込めながら、声高でなく上品な作品。


クリス・ヌーナンの前作は1995年の『ベイブ』だというから、随分と間が開いたものです。
共通するのは、朴訥としながら優しげで穏やかな視線でしょう。


レネー・ゼルウィガーは相変わらず上手いのですが、この「上手さ」も段々と当たり前になって来て、一時期のメリル・ストリープのように感じるようになりました。
「上手さ」がちょっと鼻に付くというか。
いや、嫌いじゃないのですが、そろそろ別の彼女も見たいものです。


ユアン・マクレガーも相変わらず上手です。
この人、特に抜きん出た場面をこさえるのではなく、さりげなく映画を支える役どころが似合っています。
恋は邪魔者』での共演でレネーとの息が合っていたので、今度の共演となったようです。


そもそもの企画はケイト・ブランシェットが持ち込んだものだそうです。
ケイトは大好きな女優ですが、彼女が演じていたら全く違うものになったのでは。
完成した映画に随所にある、ピーター・ラビットたちが動くというアイディアもレネーのものだそうですが、それが無かったら随分と映画の雰囲気も変わったことでしょう。
ケイトには、インディ・ジョーンズの新作で『バンディッツ』で見せたコメディエンヌの片鱗を披露するのに期待しています。