The Kingdom
BBQ解散後、最近近所に出来たシネコンまでひとっ飛びしました。
お目当ては『キングダム/見えざる敵』のミッドナイトショー。
23時45分からの大き目の劇場は30〜40人の入り。
この時間帯にしては多いし、女性客の比率も高いのも興味深かったです。
女性同士もちらほら。
独り身は私も含めて男性のみ。
そりゃそうか。
こんな時間だもの。
サウジアラビア王国で起こった大規模自爆テロ。
アメリカ人を狙ったテロにより100人以上が死亡する大惨事となります。
親友の捜査官を亡くしたFBI捜査官が仲間を率いて現地に飛びますが、銃器と捜査の自由を取り上げられます。
残された期間は5日間。
一方のテロ組織は、FBIを新たな標的と見定めます。
ピーター・バーグは俳優としては『コラテラル』で見かけ、監督としては『ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン』を観た程度。
しかも後者のユーモラスなアクション映画はそこそこ面白かった程度で、そんなに感心しませんでした。
今作は最初から最後まで緊張感がずっと持続します。
サウジとアメリカとの関係を説明するオープニング・クレジットから引き込まれ、冒頭の自爆テロ描写で度肝を抜かれます。
全編手持ち撮影のドキュメンタリタッチ、緻密な捜査の経緯には引き込まれるし、やがて芽生えるサウジ側警官とFBI捜査官の友情もあります。
そしてハイウェイでの爆発からクライマックスの大規模な銃撃戦へとなだれ込む様は迫力満点。
音響効果も凄まじく、単純に楽しめる度合いとしては、最近のサスペンス・アクション映画の中で出色と言えましょう。
しかしながら左程心に残らないのは、人物描写が最低限しか描かれていないとか、ご贔屓ジェイミー・フォックスが意外に精彩が無いとか、中東でジェニファー・ガーナー演ずる捜査官がTシャツ1枚のセクシーな格好で動き回るとかだからではありません。
テロを憎む気持ちはアメリカ人もサウジ人も同じだとする視点は、ハリウッド映画としては画期的ですが、協力して突き進むにも関わらず、危険な捜査も結局はアメリカ人達は皆生き残り、血を流して倒れるのはサウジアラビア人ばかりである点です。
ここにハリウッド映画としての限界を感じてしまいました。
オープニング・クレジットから『シリアナ』のような硬派なスリラーを期待していた身としては、中々面白いと思いつつも、意外にも普通のサスペンス・アクション映画だったことに、少々がっかりしたのでした。
あぁ、『シリアナ』を再見したくなりました。
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