days of cinema, music and food

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The Bourne Identity


先日観たボーン・アルティメイタム』の影響で、シリーズ第1作に当たる『ボーン・アイデンティティー』をDVDにて鑑賞しました。
最初に出た方のDVDなので、後に出たものと違ってDTS収録。
今聴いても中々歯切れの良い音声です。
DVD-VIDEOをホームシアターで観るのは久々でしたが、Blu-rayに観慣れた目でも好印象。
さすがにHD程のキレはありませんが、これはこれで宜しい。


さて見直して一番感じるのは、マット・デイモンの若々しい顔です。
まだあどけなさが残っていると言っても良い、純真さの残る顔付き。
これが『ボーン・スプレマシー』、『〜アルティメイタム』と続くに連れて、暗く険しい、疲れた表情となっていくのです。
『〜アイデンティティー』の自分探しを始める青年は、5年前のマット・デイモンでなくてはならなかった。
そして『〜アルティメイタム』のジェイソン・ボーンは、現在のマット・デイモンでなければならなかった、とも言えます。


映像はまず、後のポール・グリーングラス作品に比べてカラフルで色数が多い。
それと撮影方法も一般的な映画に比べてドキュメンタリ・ルックなものですが、臨場感という点ではグリーングラス作品には及ばない。
緊張感や切迫感も後の2作目以降には全然負けていますが、これはこれでボーンの助走と位置付ければ良いように思えました。
逆に、第1作からダグ・リーマンではなくグリーングラスだったら、まるで違う映画になったことでしょう。
それも観てみたい気もしますが、当時のマット・デイモンとリーマンの相性は良いように見受けられます。
これがあっての第2・3作だったのかも知れません。


その第3作では携帯電話が非常によく使われていますが、本作ではまだ公衆電話が盛んに登場します。
ここに時代の流れを感じました。


最後に気付いたのは、第3作に登場するブラックブライアー計画がラスト近くのセリフに登場すること。
こういう細部への気遣いが、このシリーズの面白さを印象付けているのでしょう。