days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Mr. Magorium's Wonder Emporium


マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』公開2日目の鑑賞です。
日曜昼過ぎの回、シネコンの小さめの小屋は5割程度の入りでしょうか。
お子様連れが目立ちました。


原題の「Magorium」と「Emporium(商店)」は音で掛けているのでしょう。
洒落たタイトルデザインからわくわくさせられます。


自信を失っているかつての天才ピアノ少女モリーナタリー・ポートマン)は、発明家マゴリアムおじさん(ダスティン・ホフマン)の経営する魔法のおもちゃ屋の雇われ支配人。
そこは命を持っているかのようにおもちゃたちが動き回る世界で、大勢の子供たちが遊びまわっています。
243歳になったおじさんは、この世を去ると言い出し、おもちゃ屋モリーに譲ると言い出しました。


のっけから魔法のおもちゃ屋が存在しているという設定。
これで乗れるかどうかが楽しめるかどうかの境目ですが、この映画はちと微妙かも。
というのは、魔法の世界がある前提は良いとしても、これが監督デヴューのザック・ヘルムの演出が凡庸なのです。


例えば、おもちゃ屋で遊んでいる子供たちの描写。
巨大ボールに押しつぶされる子供も、普通にボールにめり込むだけ。
だったらぺったんこになって目をキョロキョロ、でも外れたら元に戻るとか。
『ビッグ』を意識したのかも知れない、おじさんのダンス場面。
もっと工夫して撮れば良いものの、普通に撮っているだけ。
こういった目立たずとも歯痒い描写が気になります。


ザック・ヘルムは『主人公は僕だった』の脚本でデヴューした新人。
思えばあれはマーク・フォースターの演出にセンスがあったということなのでしょう。
話の骨子は面白くとも、タイトルデザインが洒落ていても、特撮が良く出来ていても、細部がおろそかでは現実世界を舞台にしたファンタジー映画ではマイナスとなるのです。


全然期待していなかっただけに、90分強という上映時間はそれなりに楽しく観られましたが、それだけとも言えます。
それは子供向けの作りになっているのに、描写の飛躍が無かったからなのでしょう。
近年、嬉々として現実離れした役を演じるダスティン・ホフマンは快演でした。