days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Genesis Seconds Out


ここのところ、退社→出社が同じ日というのを繰り返しているので、目がかなり疲れ気味。
ゲームもDVDも映画も観る気が起こらないので(それ以前に、そんな時間も無いので)、自分のリラックスタイムを捻出するのは布団の中となります。
そこでCDをヘッドフォンで聴いて脳内にα派を出してリラックスし、寝付くことにしました。
最近聴いているのがこれです。


会社で何気におしゃべりしていたら、実は同僚のIさんがプログレにご興味ありということで、そうだ!入門に最適のCDをお貸ししようと思った次第。
ということで、超お気に入り且つ名盤のコレを思い出したのです。


Seconds Out

Seconds Out


邦題『幻惑のスーパーライヴ』。
ジェネシス1977年のアルバムです。


私が高校時代に買ったのは、ヴァージンから出ていた日本盤。
写真左側の分厚いプラケースに入っているものです。
日本盤なのに歌詞カードは英語のみで邦訳が無いのが残念。
いや、英文があるだけでもましなのですが、当時のジェネシスの歌詞は何歌っているんだかさっぱり分からないものもあるのですよね。
名曲『カーペット・クロール』の「We've got to get in get out」なんて言い回し、かなり文語調ではないでしょうか。


とまれよく聴いていたこの2枚組みCDも、1枚目7曲目の『ザ・ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ』に円周状に傷が付き、この曲は途中から再生不可能になってしまいました。
折角の名盤。
なのにこれをお貸しするのも忍びないので、相当前から買い直すつもりだったのにほっぽり放しだったので、この機会にリマスター盤を購入することにしたのでした。


今回はいつもの悪の密林・・・ではなく、悪の塔からの購入。
しかし実は密林より値段も高く、しかも到着に1週間以上も掛かってしまいました。
うーん、調査不足でした。
とまれ持っていたヴァージン盤の1曲目『スコンク』を聴き、ついでリマスター盤を聴いてみると・・・


おやびっくり。


音の抜けが良くなって、ヴェールが1枚・・・いや、2枚はがれたようにクリア。
これは嬉しい驚き。
リマスター万歳。


ピーター・ゲイブリエル脱退後、フィル・コリンズがリード・ヴォーカルを取るようになってからのライヴは、無論ギターはスティーブ・ハケットです。
ですから、ハケットさん一世一代の名演奏『ファース・オブ・フィフス』の泣きギターも、クリアな音質で楽しめるのです。


改めて聴き直すと、楽曲と演奏の素晴らしさは文句のつけようがありません。


サポート・メンバーのチェスター・トンプソンのドラムスはパワフル。
フィル・コリンズのヴォーカルは、まだ自分のスタイルを確立していなくて線も細いですが、問題無し。
インストルメンタル部のドラムスも、彼らしい派手なもの。
チェスターとのツイン・ドラムも迫力満点です。
1曲のみ、チェスターの前任者であるビル・ブラッフォードの演奏による『シネマ・ショウ』が聴けますが、軽い音のブラッフォードよりもチェスターの方がジェネシスというバンドには合っている気がします。
でもこの曲はブラッフォードで良いと思いました。
フィルとのツイン・ドラムも盛り上がります。


高校当時の私のアイドルだったキーボーディスト、トニー・バンクスの演奏はやっぱり良いですね。
難しいソロ演奏も多いのに、飽くまでもアンサンブルになっています。
こういったところがイエスリック・ウェイクマンや、ELPキース・エマーソンといったところと違うところ。
いや、彼らも好きですが、楽曲全体をさりげなく支配している、そしてジェネシスサウンドの屋台骨は実はトニーだというのもよく分かります。
ハモンド・オルガンやメロトロンといった楽器も、いかにもプログレな雰囲気で良い。


マイク・ラザフォードはギタリストとしてよりも、ベーシストとしてが好きなのですが、ここでも見事な演奏。
ダブルネックで時にギターもベースも、そして足ではベース・ペダルも弾いて大活躍。
地味だけどこの人が居ないと・・・と思わせます。


2枚目最初の『サパーズ・レディ』は25分にも渡る長い曲なのに、一糸乱れぬ演奏に圧倒されます。
めまぐるしい展開とかなりキテいる歌詞も凄いですが、こういった曲をさらり演奏してしまうバンドの底力はさすが。


アコースティック・ギターや美しい旋律、旋律重視ゆえに変拍子出まくりと、全体にいかにも1970年代のロック。
でも今聴き直すと、懐かしいだけではなく新鮮ささえ感じてしまいました。
これならば、Iさんにも自信を持ってお貸し出来ます。
1970年代〜80年代はロックを色々聴いていらしたそうですが、さて気に入ってもらえるでしょうか。


職場の若い子は、貸した『インビジブル・タッチ』をフィル・コリンズのソロよりもお気に召したようですが、果たしてこういったいかにもプログレはどう思うのだろうか・・・とちょっと興味シンシンです。
20代半ばの女性に果たしてどう受け入れられるのか、あるいは拒絶されるのか。
今度貸してみましょうか。


当時の『ファース・オブ・フィフス』ライヴ映像です。