days of cinema, music and food

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Genesis "LIVE OVER EUROPE 2007"


先日軽くご紹介したジェネシスの『ライヴ・オーヴァー・ヨーロッパ2007』。
トニー・バンクスフィル・コリンズマイク・ラザフォードのトリオが15年振りに復活・再結成した昨年の欧米ツアーを収録したものです。
サポートメンバーは常連のチェスター・トンプソン(ドラムス)、ダリル・スターマー(ギター/ベース)。
聴く前から安心出来る布陣です。


21曲のコンサート全楽曲を収録したアルバムは彼らにしては初めて。
これが冒頭からノリノリで聴かせます。
何が収録されているのか。
それはお楽しみゆえ、ここではバラさないでおきましょう。


パワーという点では過去の作品には劣ります。
先日ご紹介した『セカンズ・アウト(幻惑のスーパーライヴ)』の迫力と精度には及びません。
フィル・コリンズのヴォーカルも、近年噂されていた喉の不調もあってか、キーを下げているので大人しく聴こえます。
でもここには、かつての仲間達が還暦を前にして再び集い、往年の名曲を次々と心地良く演奏していく愉悦の時間があります。
幅広い年代から集められた楽曲の数々は、彼らがいかに長期に渡って素晴らしい作品を発表して来たかの証しでもあります。


トニー・バンクスのリズム感に難のある独特の手クセ。
マイク・ラザフォードのちょっと安心出来ないギター・ソロ。
フィル・コリンズのヴォーカル。
彼ららしいと言えば、彼ららしい。
それが独特の味なのですから。


それにしてもナンバー1ライヴ・バンドと言われ、それには私も大賛成で納得しているにも関わらず、こう挙げたような難点がある、というのも面白い。
下手じゃない。
上手い。
でも機械的じゃない。
これはクラシックで言うと、機械的で面白みの無いカラヤンに対して、人間味のあるレナード・バーンスタインのようなものなのでしょうか。
各人の演奏がぴたりはまると、とんでもないものを聴かせてくれるのですから。


音質も良いし、これは近々発売されるというDVD盤にも期待が高まります。
どうせならばHD盤で発売してくれないでしょうか。


ライヴ・オーヴァー・ヨーロッパ 2007

ライヴ・オーヴァー・ヨーロッパ 2007