days of cinema, music and food

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Genesis "Wind & Wuthering"


先日大量に購入した中の1枚、ジェネシス1976年の傑作『ウィンド・アンド・ワザリング(静寂の嵐)』です。
友人べっくから借りて聴いたのがかれこれ十数年前。
それ以来なのですが、古式ゆかしいプログレッシブ・ロックと新鮮さがあります。


ジェネシス最後のプログレ・アルバムとも呼ばれていますが、全体を覆う貴族趣味と英国趣味もいかにもらしい。
歌詞やサウンドからも、香り高く立ち上ります。
ヒプノシスによるジャケット・デザインもそうですよね。


個人的には冒頭の1曲目『イレヴンス・アール・オブ・マー』、2曲目『ワン・フォー・ザ・ヴァイン』が好きです。
それに最後の3曲『アンクワイエット・スランバーズ・フォー・ザ・スリーパーズ...』『...イン・ザット・クワイエット・アース』から名曲『アフターグロウ』へと繋がっていく壮大な演奏は、今聴いても感動的ですね。
特に大好きなのが先に挙げた『ワン・フォー・ザ・ヴァイン』と『アフターグロウ』。
どちらもトニー・バンクスの曲なのですが、歌詞もサウンドも美しく、素晴らしい。
『ワン・フォー・ザ・ヴァイン』は幻想的で寓話的な物語調でメロディも綺麗なのですが、間奏部分で突如リズミカルな展開を見せるのがいかにもプログレです。


未だにコンサートで演奏される『アフターグロウ』も情景が浮かぶようで良い歌詞ですよね。


全編トニー・バンクスの個性が強く出たアルバムで大好きなのですが、これを機にギターのスティーブ・ハケットが脱退してしまうのも残念ではあります。
最も、傑作『デューク』などは、ハケットが居たら世に出なかったアルバムでしょうから、分からないものです。


さてこのリマスター盤、CD/SACDの高音質もびっくり仰天ですが、面白かったのは特典ディスクのDVD-VIDEO。
まずはアルバム全曲を5.1chのDTSもしくはドルビーデジタルにリミックスされたサラウンドに耳を傾けましょう。
かなり派手に後ろに音を回していて、面白い体験が出来ます。
いやいや、やるのであればこういうのもアリかな、と思いました。
2chの高音質はCD/SACDでも聴けますし、このDVD-VIDEOも十分高音質です。
曲を再生中はアルバムアートワークが静止画で表示されるだけですが。


さて怒涛の特典映像を観て行きましょう。
『リイシュー・インタビュー2007』は2007年に収録されたメンバー4人へのインタヴュー映像。
トニー・バンクスフィル・コリンズマイク・ラザフォード、それにスティーブ・ハケットも色々とコメントしています。
この特典ディスクに日本語字幕は一切ありませんが、対訳が付いているので左程不便は無し。
いやいや、この仕様を日本で出してくれただけでも有難いものです。


面白いのは1977年当時の日本のテレビ番組が収録されていること。
画質は悪いものの、貴重な映像です。


発売当時のUKオリジナルLPジャケットを復刻させたジャケット類も嬉しく、コレクターだましいをくすぐる逸品には違いありません。

上段がジャケット及びインナースリーブ(歌詞付き)。
下段がDVD-VIDEO用スリーブ及びDVD-VIDEO。
SACD/CDとDVD-VIDEOのレーベルは、カリスマ・レコードのレーベルとなっています。
かつてのLPみたいに薄ビニル袋に入っているのが芸が細かい。
私はCDコレクターではありませんが、いわゆるコレクターの気持ちも少々分かったような気がしました。
それだけに危険なアイテムなのかも知れません・・・。


とまれジェネシス・ファンならば多少高くとも元は取れるCDと言えましょう。

ウインド&ワザリング(静寂の嵐)(紙ジャケット仕様)

ウインド&ワザリング(静寂の嵐)(紙ジャケット仕様)