days of cinema, music and food

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Genesis "A Trick of the Tail"


先日大量に購入した中の1枚、ジェネシス1975年の傑作『トリック・オブ・ザ・テイル』です。
友人べっくから借りて聴いたのがかれこれ十数年前。
それ以来なのですが、古式ゆかしいプログレッシブ・ロックとポップさがあります。


リーダーのピーター・ゲイブリエルが脱退後のアルバムであり、特典映像に収録されている残ったメンバーへのインタヴューなどからすると、相当に力の入った作品だったよう。
ピーター無しでも大丈夫だと、自分達の力を見せたいとの思いも強かったようです。
しかしサウンド的には力作であっても聴き疲れないのがこのアルバムとも言えます。


冒頭の『ダンス・オン・ア・ヴォルケーノ』の変拍子からしていかにもプログレ
インパクトのある曲で、このアルバムからリード・ヴォーカルを取るようになったフィル・コリンズも全開。
ですがまだヴォーカル・スタイルを確立する前なので、ピーガブを意識した感じがあるのがご愛嬌。
それほどまでにピーガブの威光は強かったのでしょう。


私自身の選ぶベストは『ロベリー、アソールト&バッテリー』。
間奏部分でのトニー・バンクスによるキーボード・ソロでは、泥棒が街中を警官に追われる様子が目に浮かぶよう。
こういったクラシック調のロックは楽しいですね。
トニー・バンクスのキーボードは情景描写が個性だと思っているのですが、さて如何なものでしょうか。


Robbery, Assault and Battery


リマスターされたCD/SACDは高音質。
PLAYSTATION 3でのSACD再生で音量を上げてもかなり綺麗です。
トニー・バンクスのメロトロンや、スティーブ・ハケットのギターもクリア。
これは素晴らしい。


さて特典ディスクであるDVD-VIDEO。
インタヴューは前日書いたような雰囲気なのですが、ヒプノシスによるジャケット・デザインにも触れているのが興味深い。
そして驚きはヴィデオ・クリップが収録されていること。
フィル・コリンズが泥棒に扮したものや、メンバー全員による(ちょっと恥ずかしい)メルヘン調(?)など、こんなものもあったのか、と思いました。


そして白眉は、なななな、何と!
ドラマーとしてビル・ブラッフォードが参加しているライヴドキュメンタリが収録されていること。
これはビックリです。
Genesis: A Band in Concert』と題されたフィルム、クレジットを観ると・・・・ん?
監督がトニー・メイラムって、トム・サヴィーニ特殊メイクによるスプラッター映画『バーニング』の監督では!?
と思ってIMDbで調べたら、やっぱりそうでした。


オリジナルは2.35:1の映画なのですが、残念ながらスクイーズ収録ではありません。
画も音も良くは無いのですが、このメンバーによる『シネマ・ショウ』『サパーズ・レディ』が抜粋とは言え観られるなんて・・・と感激したことも添えておきましょう。


UK版オリジナルLPを復刻した紙ジャケットなど、コレクター向けのこだわりも凄いですが、本編ディスク、特典ディスク共にジェネシス・ファン必携のアイテムには違いありません。



トリック・オブ・ザ・テイル(紙ジャケット仕様)

トリック・オブ・ザ・テイル(紙ジャケット仕様)