days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring - Special Extended Edition


ディスク1、ディスク2と2回に分けての『ロード・オブ・ザ・リング』第1部、つまりは『旅の仲間』の上映が終わりました。
もちろん、上映したのは『スペシャル・エクステンデッド・エディション』。
200分にも渡る大長編、いや厳密には大長編の始まりでしかない本作ですが、既に何度も何度も観ている程に大好きな作品です。
3部作中、一番好きかも知れません。
一番のんびりしたところがありますしね。
とまれこれはやはり映画史に残る大傑作ファンタジーの冒頭を飾るに相応しい、映画らしい風格さえある映画だと思いました。


魔法使いガンダルフは台詞の宝庫だし、終盤のウルク=ハイ襲撃からボロミアの死までも盛り上がります。
サムの主人思いが分かる終幕には心打たれるし、アラゴルンギムリレゴラスを率いて森の中に走り消えて行く終盤は男気に溢れています。
こうして見るとこの映画、特撮満載のファンタジーでありながら、改めてエモーショナルな盛り上がりが多いことに気付かされます。
いやいや、オーク&トロルとの戦闘から悪鬼バルログ登場のカザム=ドゥムの橋までのシークェンスは圧巻で劇中最高の迫力。
ここは何度観ても素晴らしいのですが、それでもガンダルフとの別れというエモーショナルな仕掛けがあって、単純な戦闘・逃亡・追撃となっていません。


作り手であるピーター・ジャクソンらが、如何に人物たちを描くことにこだわったか。
それが大作らしい大作でありながら、無味乾燥でない風格さえももたらしているかが良く分かります。
大袈裟でダイナミックな過剰なまでのカメラワークが、下品なB級映画パワーらしい素性を表していても、人物の丁寧さに目が行ってしまいます。


この第1部が終わると、続く第2部を観たくなりました。
これは幸福な映画。
物語の始まりなのですから。
夢の始まりなのですから。
これからなのですから。
映画の出来が素晴らしくとも、物語が終わってしまう第3部の寂寥はありません。
そこが第3部との大きな違いです。


原作にあったトム・ボンバディルのくだりは、この映画版には無くて正解と思いつつ、どこか彼が居なくて寂しいのも確かではありますが。



DVDは高画質だし、DTSも高音質。
140インチでも全く問題ありません。
うーん、でもこの映画をBlu-ray Discにて大画面で観てみたいものです。