days of cinema, music and food

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Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull


インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』先行レイトショーに行って来ました。
シネコンはほぼ満席の状態。
期待値が分かろうというものです。


しかし実際に上映が始まると、意外に笑いが少ない。
笑っているのは俺だけ?
これはギャグのネタが、このシリーズを観ている人にとって可笑しいものが多いからではないでしょうか。
ブロディの銅像の首を落として敵を撃退し、マットはいい気になっているのに、何でインディが面白くない顔をするのが可笑しいのか。
ロープ代わりにヘビを投げると、何でインディはああも怖がるのか。


前作から19年はさすがに長かったということなのでしょう。
客席には20代も目立ち、ひょっとして過去の作品は観ていないのでは、と思えます。
でもこの映画は、最低『レイダース/失われたアーク』は観ておいてもらいたい。
じゃないと、ラストの感動も違うと思うのですよね。


少々残念だったのは、アクションが荒唐無稽になり過ぎたこと。
これってデジタル特撮の進歩の弊害なのでは。
でもこのシリーズの良さって、本当は精巧な特撮を使っているのに基本はリアリズムのアクション、でもマンガみたいなギャグを入れるものだった筈。
それがマンガみたいなアクションになってしまっているのです。


過去3作はどれも傑作スコアだったジョン・ウィリアムズの音楽は、近年の彼らしく面白くない。
馴染み深い旋律しか耳に残りません。
でも「レイダース・マーチ」や「マリオンのテーマ」、それに隠し味の「アークのテーマ」が鳴ると嬉しくなるのですけれどもね。


スピルバーグの演出はすっかり切れを失い、過去の作品に比べてメリハリも無い。
でもハリソン・フォードのインディが画面に映るだけでも楽しい。
ハリソンはインディ、インディはハリソンなんだなぁ。
ハン・ソロが登場しても、こうは行かないのでは(いや、分からないけれども)。


期待していたケイト・ブランシェットの悪役振りは愉しく、でも役柄にもう少しふくらみが欲しいところ。
このシリーズ最高の悪役は、やはり『レイダース』のベロックですね。