days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Fun with a horror fun and "The Hills Have Eyes" on DVD


ジムで汗を流した後、電車に乗って帰宅しようとすると、どうやら火災か何かで全線ストップしたようです。
夕食はちょいワル(?)で、ホームシアターで映画を観ながらPAULのホットドッグでも食べようかという気分。
私の家の最寄り駅は隣なので、徒歩で駅まで行ってPAULで買物してから、バスで帰宅という選択肢もありました。
しかし、今日はお金で時間を買いましょう。
タクシー乗り場に向かうと、大柄の白人男性が「○○(←最寄り駅)行く人ー」と声を上げています。
「はーい」と手を挙げて、相乗りすることになりました。


日本語ペラペラの男性はアメリカ出身で、話しの内容からすると40歳くらい。
この近所に越して来てから5年で、それ以前は三軒茶屋に住んでいたとか。
おぉ、私も三茶出身です。
つい話しが盛り上がりましたが、ここまでは助走に過ぎませんでした。
三茶のツタヤの話しになり、夜中にヴィデオを観るのが好きなようでしたので、何が好きかと訪ねると、
「70年代のイギリスのホラー映画や、マカロニ・ウェスタン」。
色々なホラー映画のタイトルが会話に飛び出し、タクシーを待つこと30分くらいの間、おしゃべり大会になりました。
タクシーの中でも喋る喋る。
「よく知ってるね」と言われたけど、それはお互い様でしょう。


彼は筋金入りのホラー映画ファンで、何週間か前には、ジョージ・A・ロメロに会ったというのです。
「ジャーナリスト?」と訊くと、そうではなく、「ホラーファン」との返事。
ホラー大会がシカゴであり、そこにロメロも来ていて、サインをもらったのだとか。
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の主演女優ジュディス・オディアも来ていて、とても良い人だったとのことです。


駅で降りた私と、最後はがっちり握手。
「楽しかった」
今思えば、名刺交換でもすれば良かった・・・。


と、楽しい経験も出来て気分はすっかりホラー。
PAULで食事用のパンを買い、いざホームシアターへ。
今夜の映画は、同僚のS本さんがお貸し下さった『ヒルズ・ハブ・アイズ』です。


元々は20世紀フォックス製作・配給のこの作品、日本ではお蔵入りしそうになったことでも話題となりました(飽くまでもホラーファンの間でだけどね)。
核実験の影響でミュータントと化した家族が食人鬼となる設定は、唯一の被爆国として許されないとの理由でした。
しかも冒頭には、ヴェトナム戦争枯葉剤などの影響で奇形となった本物の胎児の写真が、どかどか出て来ます。
うわー、見たくないなぁ、これは。
まこと、食欲減退の効果テキメンです。


映画は車旅行で砂漠の真ん中に立ち往生した一家と、食人鬼奇形一家の壮絶な戦いを描くもの。
アレクサンドル・アジャの演出はかなり真っ当で、言われているような傑作とまでは思いませんでしたが、かなり丁寧に作られていました。
タクシーで同乗した彼は、ウェス・クレイヴンによるオリジナル版『サランドラ』は余り良くないと言ってましたが、オリジナル版未見の私には、こちらのリメイクだけで十分。


とまぁ、結構面白かったのですが、今更とは言え、すっかりホラー慣れした私にはちっとも怖くなかった。
後半、食人一家への反撃は中々爽快感があるのですが、全体に強烈なサスペンスを醸し出していたら、もっと良かったのに。
反撃の主軸となる軟弱メガネ青年は、サム・ペキンパーの名作『わらの犬』の主人公そのままですね。
割れたメガネを拾って掛け直す場面まであります。
あちらでのダスティン・ホフマン演ずる主人公の、現代版解釈と言ったところでしょうか。


日本劇場公開及びこのDVD版はノーカット版。
アメリカ公開時に成人指定を逃れる為に2分ほど削除したそうですが、一体どこだったのでしょうか。
物語上重要な描写だそうなのですが。
声質が独特なテッド・レヴィンが、襲われる一家のお父さん役で出ていました。
ステレオタイプな”アメリカの親父”役といったところでしょうか。


ヒルズ・ハブ・アイズ [DVD]

ヒルズ・ハブ・アイズ [DVD]