days of cinema, music and food

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Kun Fu Panda


カンフー・パンダ』の初日に出掛けました。
字幕版上映となったレイトショーの劇場は4割程度の入り。
中々面白いのに、アニメ観客はポニョに流れてしまったのでしょうか。


ぐーたらで夢見がちなお人好しのカンフーおたくのデブ・パンダが、ひょんなことから「龍の戦士」に選ばれてしまい・・・という騒動を描くこの映画。
かなり笑えるのですが、これがカンフーや中国文化を茶化したものではなく、製作姿勢はかなりマジメな出来でちょっと意外でした。
アクション場面も本格派で、かなり迫力があります。


過去の香港映画・中国映画へのオマージュとなっているのは明らかです。
ジャッキー・チェン主演の懐かしやモンキー映画を彷彿とさせる師弟特訓場面もあるし、そのジャッキーがクンフー達人のモンキー役で登場なのは必然でしょう。
グリーン・デスティニー』を思い出させる屋根上の疾走場面もありますし、矢が降り注ぐ場面は『HERO』のラストか。
クライマクスの無人と化した市街地での大決闘場面は、『カンフー・ハッスル』でしょう。
師匠たちの教えは真摯で胸を打つものもあるし、それらがちゃんと物語に取り込まれている。
単なるオリエンタリズムへの憧憬に終わっていません。


冒頭とエンドクレジットのセルアニメ風も楽しいし、背景画も美しい。
ハリウッド製CGアニメでここまで個性的なのも珍しいのではないでしょうか。


主演のパンダ役ジャック・ブラックも笑わせてくれますが、師匠役ダスティン・ホフマンもいい味を出しています。
カンフー・マスター役のアンジェリーナ・ジョリーがトラ役なのは、日本では秋に公開される『ウォンテッド』での女豹っぽい殺し屋とダブって可笑しかったです。
役柄も演技もシリアスで落ち着いたものでしたけれどもね。


テンポも良いし、笑いとアクションてんこもりで、お薦めの映画なのでした。