days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

アークス訪問


ぽっかりと仕事に穴が空いたのと、風邪気味だったのとで、午後半休することにしました。
ついでに映画でもふらりと観に行こうかという腹積もりでもありました。
しかし自宅最寄り駅に着くと気分も乗らず、体調も芳しくない。
駅から自宅までの運転中、映画鑑賞の気は薄れ、陽だまりの中の読書だ!と書店に寄って帰宅しました。
PCを起動してメールチェックをすると、アークス)白須さんからのメールが。

ビクターHD350の試聴が本日から22日(木)までアークスショールームにてご覧になることができます。
お時間はあらかじめご連絡いただければ夜でも可能でございます。


Cine 7LT修理の見積りは昨日出して頂いていたのですが、予想よりも高め。
機種によっては液晶プロジェクターが購入出来そうな値段でした。
ではと、最新機種の液晶プロジェクターでの見積もりもお願いしていたのです。
その内の1つ、HD350が観られる。
この機は逃すまじと、即アークスに電話。
すぐ行く旨伝えました。


同社のHD100は昨年見ています。
その後継機種はどうなのか、と気にはなっていました。
多少の(?)風邪などなんのその。
カーナビに住所をセットして出発です。


高速を使うと30分強で吉祥寺のお店に到着。
5年振りの街並みは結構変わっていましたが、店内の開放的なシアターは変わりありませんでした。
前回来たのは、この近所にある友人夫妻宅まで赤ちゃんを見に来た以来だものなぁ。
でもその子も今度は小学生。
時の移ろいよ。


さて挨拶もそこそこにHD350の画を拝見しました。
再生してもらったのは、持参したBlu-ray Discの『マンマ・ミーア!』(欧州盤・日本語字幕入り)冒頭部分です。
先日もご紹介したディスクですね。

Mamma Mia!【Blu-ray】(2008)


夜、ポストにまだ見ぬ父親候補宛の手紙を投函する場面。
元々くっきり、はっきりとした画ですが、余計にそれが強調されています。
当然ながら走査線は見えず、さすがフルHD
う〜ん、やはりフルHDプロジェクターは良いなぁ。
こりゃ、やっぱり買いか!?


3人の父親候補が動くカットバック場面。
「Mamma Mia!」のタイトル後、ギリシアの美しい風景にアマンダ・セイフライドの白い肌と金髪が映えます。


ここまで3分ほどでしょうか。
再生を止めてもらいました。


ファンノイズのレベルはCine 7LTとは大違いでとても静かです。
こういったノイズは無いに限りますからね。
色も解像度も申し分無く、ぱっと見は実に美しい。
知らない人が見たら、フィルム上映と勘違いしそうです。
しかし観終えた直後は自分でもうまく説明出来なかったのですが、何か違和感がありました。
う〜ん。。。


どうやら、私は以下の点で違和感を感じたようです。


まず、ロングショット等の奥行き感。
クロースアップは間違いなく液晶がCRTを凌駕しています。
デティールの描き出しなど細密感はさすが。
最近のプロジェクターは凄いなぁ、と素直に感心しました。
しかしこれがロングショットになると、途端に奥行き感が無くなります。
これは液晶というデバイスの問題なのでしょうか。


次に映像内での「動き」に違和感がありました。
素早い動きではなく、人が歩くなどゆっくりした動きが何か妙。
ちょっと言葉では言い表しにくいのですが、「現物」と何かが違うような気がします。
これもデバイスの問題なのでしょうか。


その旨、素直に白須さんに伝えると、今度はDLPプロジェクターで見せてくれました。
機種はマランツのVP-15S1。
DLPかァ…という顔をするとすかさず白須さん、
「皆さん、DLPには良い印象をお持ちでは無いようなのですが、今は違うんですよ」。
白須さんがおっしゃるなら期待しましょう。


そう、DLPには余り良い印象が無いのです。
DLPは数年前にオーディオショウで見て、虹の様なカラーブレイキングノイズ(色割れ現象)で目が痛くなりそうになりました。
これが一度気になると、もう映画鑑賞に集中出来そうもありません。
人によってはまるで見えないというこのノイズ。
不幸にも私には見えてしまったのです。
そういった過去を払拭してくれるかどうか。


解像度はさすが、色も鮮やか。
ロングショットの奥行き感も見事だし、人の動きも違和感がありません。
フィルムライクで私好みの映像です。
今現在使っているCine 7LTにテイストも似ているような。
ただ残念ながら、やはり色割れが見えてしまいました。
マンマ・ミーア!』の日本語字幕部分近辺に、時々ちらっちらっと、虹のようなノイズが見えてしまいます。
不定期の出現なのですが、私には長時間の鑑賞は無理そう。
それ以外は全く素晴らしいのに。
「I see dead people...」
シックス・センス』のオスメント少年の気持ちが良く分かります。
見えなくても良いのに。


この印象を白須さんに伝えると、憮然として「そうですか、やはり見えてしまいますか」。
色割れは白須さんには見えないそうです。
何でも、動体視力が良い人には見えてしまうとか。
そんなの意識したことが無かったのですが、ちょっと動体視力が良いなんてイチローっぽいと、内心ほくそ笑みます(うそです、動体視力が悪い方が良かったです)。
単板式である以上、この現象からは逃れられません。
劇場で使用されている三板式のDLPならば、構造上色割れも起きないのに。
家庭用三板式で低価格モデルがあれば欲しいところですが、出ても売れなかったそうです。
う〜ん、残念。


ではと、今度はアークス常設のCRT 9インチ管、BARCO Cinemaxを見せてもらいました。
BDプレイヤーからはHDMI接続(途中に変換コネクタ含む)。
ソフトは同じく『マンマ・ミーア!』。


む?
むむむ?
上映開始直後の画面は液晶やDLPに比べて暗いし、解像度も低く見えます。
走査線が見えているし。
先のフルHDプロジェクターに比べてぼけているかの印象さえありました。
自宅のはこれ以下なのか。
なのに最新機種には納得出来ず。
色々な意味でちょっとがっかりです。


やや沈んだ気持ちで観ていると、不思議なことが起きてきました。
ものの2分も経つと、奥行き感や動きがとても自然に見えて来ます。
黒が自然に出ているから、というのもあるのかも。
普段から三管を見慣れているからでしょうか。
今の私の目には、まだまだ三管が良いようです。


今回の見比べは色々と収穫がありました。
液晶、DLP、三管の長所・短所が一度に分かったのは有難かったです。
高解像度と明るくくっきりした画は、やはり最新のフルHDプロジェクターに分がある。
しかし「自然さ」という非常に曖昧な要素は、三管にあったように思えました。
DLPには感銘を受けましたが、やはり色割れがある以上、残念ながら選択肢から外さざるを得ません。


当然ながら予算もありますが、こういった趣味の機器の場合、やはりどの要素を優先するのか、という問題があります。
高解像度なのか、動きなのか、黒味なのか、色味なのか。
どれを取るのかはその人次第。
私自身、固定画素式プロジェクターを否定する気は毛頭ありません。
設置や調整が如何に楽かは、以前使っていた液晶プロジェクターで知っています。
しかし今回比較視聴してみて、固定画素式の新規導入は見送ることになりそうです。


ではどうするか。
現状のCine 7LTの修理費用は相当高い。
しかし三管の中古はちょっと怖い。
うーむ…


しかし白須さんから別の提案を頂きました。
さて、それは!?(後日に続く予定)


公式サイト内に、いつの間にやら白須さんのblogも出来ていました。
内容は明瞭簡潔で面白いです。


尚、2月7日(土)・8日(日)に、上記マランツのVP-15S1をスタック使用して上映会を開催するそうです。
完全予約制のようですので、ご興味ある方は上記公式サイトをご覧の上(使用機材も書いてあります)、申し込んでみては如何でしょうか。
興味はあるのですが、スケジュールが厳しいかなぁ…。