days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Dead Space


入手時にこんな記事を書いていたというのに、クリアまでこんなに時間が掛かりました。
入手後すぐに始めていたのですが、それもこれも核戦争後の世界を闊歩していた為です。
とまれ、昨年EAがリリースした『DEAD SPACEXbox 360アジア版をようやく終えました。


宇宙空間に浮かぶ巨大採掘船石村号が連絡を絶った。
調査に赴いた主人公アイザック・クラーク(もちろん、アイザック・アシモフアーサー・C・クラークからのイタダキ)が、モンスターが巣食う空間で決死のサバイバルを繰り広げ、脱出を図るという内容です。
SFホラー映画の名作を思い出させるところも多く、特に『エイリアン』、『遊星からの物体X』、それに『イベント・ホライゾン』からの影響が大きい、と言えば、大体雰囲気は伝わるでしょうか。


いやいや、これだけ終始緊張を強いられるゲームは珍しい。
ホラー系ゲームって、怖いのは最初だけの場合が殆どじゃないですか。
ところがこれは、全編に渡ってありとあらゆる手を使って怖がらせようとしてきます。
開発スタッフたちは相当に楽しかったんじゃないでしょうか。
「ここではいきなりモンスターを飛び出させてびっくりさせよう」
「このステージでは、子供の歌声とか入れたらどうだ?きっと不気味だぜぇ」
なんてね。


基本的には脅かし系の怖さなのですが、やり方が上手いので、びっくりすると同時に感心してしまいました。
余りにびっくりが連続するので、初めて行くステージはおっかなびっくりソロソロと進みます。
それでも驚かされることもあるのですが(^_^;
安心出来るのはセーブ時のみという徹底振りも凄い。
ここまでやるか、と笑ってしまいました。


日本、中国、ドイツ(後にリリースが決定したようですが)で発売されないことになったことでも話題となった、徹底した残酷描写が、最大の特徴でしょう。
乗組員の成れの果てとなったおぞましい怪物たちは、四肢を切断しない限り追って来ます。
これだけでも最初はびびるのに、主人公は採掘用のカッター類などを使って、迫り来る怪物の手足を切断し、それでもまだ襲い掛かろうとする連中を粉砕しなくてはいけません。
とにかく画面はグチャグチャ。
腐臭漂いそうな血まみれステージしかなく、あちこちに散乱している腐乱死体などもあいまって、気色悪いことこの上ありません。
そこにグチャグチャなモンスターが襲い掛かって来て、主人公がよりグチャグチャにするといった按配です。


ゲームとしてはいわゆるTPSで、『バイオハザード4』の影響が『Gears of War』同様、ここにも出ています。
また、武器・防備・能力のアップグレード方法は、『ファイナルファンタジーIXFinal Fantasy IX)』のスフィア盤が元ネタでしょう。
かつての和製ゲームの影響力は凄かったんですね。
超能力を使ってルートを切り開くのは、洋ゲーの『BIOSHOCK』からのイタダキでしょう。
とまれこのゲームを見ると、今や海外ゲームの方が凄いと思ってしまうくらいに、細かいところまで良く出来ています。
シューターとしての特異性は先に述べましたが、効果的な四肢切断を行うという戦略も必要ですが、随所にあるSFならではのステージデザインが起伏に富んでいて、とにかく面白い。
無重力空間や各種装置を使ったパズル系ステージや、砲台系のステージもあり、どれも良く出来ています。
特に私は無重力系のステージが気に入りました。


グラフィックは質感やライティング等が良く出来ていて、ある種の美さえ感じられ、見ていて気持ち良い(悪い?)。
SFならではの壮観な画もあり、楽しめました。
冒頭の1ショットからして、わくわくさせられるリアルタイム動画。
この導入部で乗せられたら、あとはゲームに付いていきましょう。


サウンドも上出来。
音楽は殆ど無いものの、効果音が非常に不気味です。
環境音もいちいち不快な音にデザインされていて、非常に凝っています。
敵の配置も音で分かるようになっているので、これは是非サラウンドかヘッドフォンで怖くしてみて下さい。


特筆すべきはGUIでしょう。
ライフゲージや装弾数などは画面上にバーなどの形では登場しません。
ライフは主人公の着用するスーツの背中に背骨状に、装弾数は武器自体に表示されます。
地図やアイテム類もホログラフの形で呼び出すのが、SFならではでカッコ良い。

進むべき進路は、Rスティックを押し込むことで青いラインとして実際の通路上とかに表示されるので分かり易い。
いちいち地図を呼び出す事も無いので、ストレス無くゲームを進められます。
これらはゲーム進行中にリアルタイムで表示されるので、当然ながらモンスターからの襲撃中に悠長に見ていると痛い目に遭います。
こういったシステムは見た目も格好良いだけではなく、緊張感の持続に貢献しています。


一見すると大味なゲームなのに、実際には細かいところまでユーザーへの配慮が行き届いたデザインということで、近年のアメリカ製秀作ゲームは凄いですね。
Gears of Warギアーズ・オブ・ウォー)』シリーズとかもそう。
ユーザーフレンドリーなデザインは、色々と参考になりますね。
こういったゲームを立て続けにすると、正直に言って和製ゲームへの興味が薄らいでしまいます。


今回、私は難易度Easyで始めてしまったので、序盤から弾が余り気味でした。
多少ゲーム慣れしている方は、Normalから開始で問題無いのかも。
弾切れの恐怖も味わえる筈ですからね(^^;
2週目はクリア時の所持アイテム等も同じ難易度ならば引継ぎが出来るので、緊張感はさらに減るでしょう。
2週目の序盤をやってみましたが、主人公自身が強過ぎる感じで、これでは単なるお使いゲームになってしまい、飽きそうに思えました。


英語字幕表示に設定して遊びましたが、時折分からない単語がありました。
こういうときはWikiを参照しながら進めました。


物語自体もSFホラーとしていて中々どうして面白かったです。
クリアまで十数時間、十分に楽しめました。
満足度の高いゲームでしたので、英語とグロに対してアレルギーが無いのであれば絶対のお薦めです。