days of cinema, music and food

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土佐のお猪口(ちょこ)


今日は身内の祝い事ということで、両親らがやって来ました。
相変わらず騒々しい…いや、元気な彼らによって、家の中がいきなり笑いのカオスと化しました。
有難いことです。


さて、高知県土佐山田町出身の父が自分の実家で使っていたというお猪口を持って来ました。
桐の箱に入っているのですが、これが何と特注だとか。
母曰く「お父さんは、何かあると桐の箱を注文して作ってもらっているのよ」とのこと。
そう言えば、彼の貴重なコレクションである鳥の羽根を保存する為に、自作で桐の箱を作っていたこともありました。
あれが結構大変で懲りたのかいな、とも思いましたが。
今回はご丁寧にも、「土佐山田の実家で使用していた酒器(猪口」とテプラーが貼られています。
元病院の検査技師だった彼の分類癖が、こんなところにも出ているようです。


箱の中から出て来たのは、土佐で使われるというお猪口。
お猪口と言っても、直径8.5cm、深さ2.8cmという大型のもの。
普通のお猪口(こちらも土佐山田から持って来たものらしい)と比べても、その大きさは一目瞭然。

相当に大きいものです。
写真のものは数年前にもらったもので、ふちが欠けていますが、桐の箱に入っていたものと同じシリーズ(?)のようです。
桐箱入りのものは、欠けもありませんでした。


明治時代頃の作品とかで、1つ1つろくろを回して作られており、絵も筆で描かれています。

また、猪口自体がかなり薄手で出来ているので、腕の良い職人が作ったものなのでしょう。
やや大きさにバラつきがありましたが、それもまた、味わいなのです。


この大きい猪口に酒を注いで飲んでいたというのですから、土佐は大酒飲みが多いのですな。
祝い事も基本的に自宅で開催していたそうなので、こういった食器がごろごろあったようです。


以前父からもらったお猪口にこんなのがありました。

どちらも猪口の底面側なのです。
天狗の猪口は長い鼻が突き出ています。
置くには不便この上無い。
ひょっとこの方は、口の部分に穴が開いています。
つまり、どちらも飲み干すまで置けない訳です。


これを友人NTに見せたら、「悪質な酒文化だ」と笑っていましたが、これも酒飲みという土地ならではの酒器なのですね。
そこで生まれ育ち、実家ではどぶろくを作っていたので、子供のときに舐めていたとかいう父も酒が大好き。
毎日晩酌していたという彼も、60歳を過ぎて休肝日を設けたようです。
普段は全く飲まない私も、実はかなりアルコールに強い。
分解酵素を多く持っている体質は受け継がれているようです。