days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

U2 3D


アイルランドのロックバンド、U2のライヴ映画『U23D』に行って来ました。
平日木曜のレイトショー、劇場は私も含めて4人のみという超閑古鳥状態での鑑賞です。
昨年末に観たザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』と、先日観たブラッディ・バレンタイン3D』のどちらも楽しめましたので、その2本を合わせたような気分での鑑賞です。


断言しましょう。
これは今までに観た中でも、最高の部類に入る3D映画です。
3D映画の未来を観たと言っても過言ではありません。


内容はひたすらU2のライヴ模様を追ったもの。
市販のライヴDVDとかありますよね。
あんな感じです。
ところがこれが劇場での立体上映になると、こんなにもの凄くなるのかと思いました。


序盤、ラリー・ミューレンのドラムセットが浮き出てくるのを観て軽い感動を覚えましたが、それ以降はひたすら圧倒されました。
いや、キャメラに向かって手を伸ばすボノとか、ジ・エッジのギターのネックが飛び出すとかではないのです。
ステージの立体感。
何人いるのだか分からない、ぎっしりの聴衆で埋まった会場の奥行き感。
劇場はシネコンの中でも小ぶりな部類でしたから、スクリーン・サイズだって左程大きい訳ではありません。
しかしこの立体感・奥行き感でもって、いつの間にか自分が画面に吸い込まれそうになります。


この感覚は始めてでした。
最初にアイマックス3Dを観たときも凄いと感動しましたが、これはそれ以来かも知れません。
トリッキーな映像ではなく、正攻法であっても、臨場感が普通の映画では体験出来ないくらいにあるのです。
いや、むしろこれはまさしく「体験」と呼ぶに相応しいものでした。
ホームシアターでは逆立ちしても出来ない体験。
これが映画です。


今後、3D映画はこういった方向もあるのではないかと思いました。
特撮やこれ見よがしな映像ではなく、いわゆる普通の映像を3D化する。
むしろ派手な場面の無いドラマとかでも良いのでは。
うまく使えば、心揺すぶられる映画が出来上がるかも知れません。


音量も普段の映画上映時より大きめだったのでしょう。
アダム・クレイトンのゴリゴリしたベース。
ラリーの地響きのようなドラムス。
この2人の剛胆なリズムに、ジ・エッジの切れ味鋭いギターが乗っかります。
そして解き放たれるのは、ボノの魂から出たような歌声。


特にU2のファンでも無く、特に近年の曲は全く知らないのでしたが、初期の曲は結構好きなものもあるのですよね。
ですから3曲目の『ニュー・イヤーズ・デイ』と『サンデイ・ブラッディ・サンデイ』の破壊力は凄かった。
映像内の会場でも聴衆の歓喜が爆発していました。
皆ジャンプしていて、恐らく地面が揺れていたのではないでしょうか。
こちらも思わず足でリズムを取ってしまいます。
後半の『プライド』サビ部分で、ボノの声が若い時期に比べてハリが無いとかありましたが、これだけ厚みのある音を4人で出しているのはやはり凄い。
久々にU2を聴いてみようかなぁ、と思いました。


ナショナル・ジオグラフィックがこういった映画を作るのも面白いですね。
この映画の撮影について解説しているdrevolutionさんのblogを見つけましたので、ここにリンクを貼っておきます。


ただこれは上映設備の問題なのか、少々映像がズレていたような気がしました。
微妙にピンボケというか…
エンドクレジットの文字がダブって読みにくかったし。
元々こんなものなのでしょうか。
ブラッディ・バレンタイン3D』のときはそんなじゃなかったんですけどね。