days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

The Pursuit of Accidents


このところ脳内CDプレイヤーで何故かぐるぐる回っているのが、レヴェル42の傑作インストルメンタル曲『パーシュート・オブ・アクシデンツ』。
同タイトルのアルバム邦盤はとっくに廃盤になっていますが、輸入盤ではリマスターがお盛んのよう。
ベーシスト兼ヴォーカリストマーク・キングのお小遣いにもなっているのかな。


さてアルバムタイトル曲であるこのジャズファンク
ジャズ・フュージョンとどう違うのかは、今ひとつピンと来ないのですが、言葉はともあれ圧倒的なバンドの演奏力を楽しみたいものです。
私にとってこのアルバムが、ひょっとしてレヴェル42の中で最も好きかも知れないのは、ひとえにこの曲の存在にあります。


初期のレヴェル42らしく、メロディラインはやや覚えにくいのですが、フィル・グールドのドラムスとマーク・キングのマシンガン・ベースという超強力リズム隊に掛かれば、もはや怖いものは無し。
冒頭のキングの掛け声に始まってベースドラムがビートを刻み、キングのベースが乗ってきます。
さぁここからがショウの始まり。
マイク・リンダップのアナログ・シンセがメロディを奏で出しますが、微妙に不協和音が入るのが面白い。
徐々に音を重ねて迫力を増す演奏は、緊張感とグルーヴを叩き出し、タイトそのもの。
グールド兄ことブーン・グールドのギターは、他の3人に比べれば相当に地味。
曲前半は殆ど聞こえません。
何しろキングのベースはリズムだけではなく、メロディも弾くのですから。


百聞は一見にしかずではありませんが、ここで迫力満点のライヴ版をご覧頂きましょう。
YouTubeに上がっているのは、以前にもご紹介したドイツ盤DVDからの抜粋になります。

とにもかくにもマーク・キングの圧倒的スラップ奏法に耳目が注目してしまいますが、グールド兄弟とマイク・リンダップの演奏も素晴らしいですよね。
まぁしかしやはり、キングのベースはすんごい。
これだけのテンポを維持しながら、複雑な16ビートを叩き出すそのスタミナはちょっと人間離れしています。
メンバー全員が20代前半から20代半ばなので、演奏もエネルギッシュですが、同時に非常に落ち着いている職人風なのも面白い。
これはリズム隊が堅牢だからそう聞こえるのでしょう。


実はこのアルバムでインストものはこの曲だけなのですが、歌ものも良い曲が幾つもあるのですよ。
1曲目の『Weave Your Spell』は、マイク・リンダップのヴォーカルが爽やかですし、アルバム最後を飾る『The Chinese Way』は、訳詞を当blogに載せたくらいに大好きです。


『Weave Your Spell』ライヴ

マイク・リンダップのヒゲも、彼の弾くアナログ・シンセのプロフェット10も懐かしいですね。


『The Chinees Way』テレビ用口パクライヴ


私の持っているリマスター盤CDは、アルバム『Standing in the Light』とのカップリング2枚組。

Pursuit of Accidents / Standing in the Light

Pursuit of Accidents / Standing in the Light

非常に高音質なのは、さすがポリドールといったところか。
各楽器の音の分離が素晴らしく、全体的に非常にクリア。
1980年代初頭の録音とは思えない出来です。
思わずステレオの音量を上げてしまいますが、まるでうるさくありません。
キングのスラップ演奏を思いっきり堪能しましょう。


…と、商品検索をしていたら、さらなるリマスター盤があるのに気付きました。
ええっ、しかも『パーシュート・オブ・アクシデンツ』ライヴ演奏収録じゃないですか。
上記CDは友人に何年も貸し出し中なので、これはちと欲しいなぁ。

Pursuit of Accidents (Reis)

Pursuit of Accidents (Reis)