days of cinema, music and food

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"Changeling" on Blu-ray Disc


4月に購入して以来、ようやっとの鑑賞です。
クリント・イーストウッドの秀作『チェンジリング』を観ました。
これも2月の劇場公開時に鑑賞済みです。


映画としては、やや内容盛りだくさんな嫌いはありますが、再見するとそれも左程気になりませんでした。
内容の興味深さ、イーストウッドの各役者から秀逸な演技を引き出す手腕や、その落ち着いた語り口など、見所が多い作品です。
荘厳さと緊張感、絶望と希望。
これは中々滅多に得られない感触です。
今回特に目が行ったのは、アンジェリーナ・ジョリーの演技と映像設計でした。


アンジーの演技は、初見ではやや大袈裟な気がしたのですが、それは今回も印象は変わらず。
しかし抑えた演技の場面と、感情を爆発させる場面の落差があるので、インパクトがあります。
劇場で印象に残っていた場面の1つ、終盤に刑務所でジェイソン・バトラー・ハーナーが好演する男と対峙するくだりでは、胸倉を掴んで詰め寄ります。
「Did you kill may son!!」
ここでの光と闇の映像も素晴らしい。
全体に暗めの映像がイーストウッド好みですが、さらに抑制された色調の中、アンジーの真っ赤なルージュが目を引きます。


Blu-rayとしての画質は素晴らしく、フィルム調でありながら高解像度も持ち合わせていて、映画BDの見本のようなもの。
だからこそ緻密な映像設計(構図、色調、動き)に目が行ってしまいます。
サウンドも派手ではないけれども十分にクリア。
要所でのサラウンドも効果的でした。
イーストウッド作曲の音楽も地味ながら映画を支えています。
お薦めのBDです。


私が持っているのはUK盤ですが、国内盤も同じマスターの筈。
品質は変わらないでしょう。

チェンジリング [Blu-ray]

チェンジリング [Blu-ray]


イーストウッドの映画は、マット・デイモンモーガン・フリーマン主演作がもうじき北米では公開になりますが、近々デイモン主演で超自然スリラーを撮るとのこと。
テレビではともかく、映画でホラー(?)は初めてですね。
今年79歳の大ヴェテラン監督は、まだまだ新境地開拓を自らに望んでいるようです。