days of cinema, music and food

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Barco Cine7 LIMO PROをサンダーロン処理すると…!!!


サンダーロン・ジャケットのJODEN購入サンダーロン・ブラシL250の購入に飽き足らず、今度は3管プロジェクターBarco Cine7 LIMO PROをサンダーロン処理することにしました。
当然ながら、お願いしたのはアークスの白須さんです。
私自身はオカルトチックなアクセサリーには興味はありません。
しかしサンダーロンのジャケットやブラシに関しては、静電気除去による高画質・高音質への盛大なメリットがある、と実感しました。
アークスの白須さんにお越し頂いての作業は、月曜夜19時過ぎから22時前まで、お喋りや視聴を含めて3時間弱でした。
3管プロジェクターの本格的サンダーロン処理をするのは、白須さんも今回が初めてとのこと。
今回はコストもありますので、ケーブル全部とかではなく、必要箇所を重点的に処理して頂くよう、お願いしていました。
結果が楽しみです。


Cine7の電源は、朝の出勤前に入れておきました。
夜の帰宅時には動作が安定している筈ですので、処理してからの画の変化もはっきり分かる筈です。
AVアンプのPanasonic SU-XR700、Blu-ray DiscプレイヤーであるPLAYSTATION 3は、作業前に電源を入れました。
厳密にはプロジェクター同様、朝に電源を入れておけば良かったかも知れませんが、まぁ大丈夫でしょう。


サンダーロン・フェルトは予め粘着テープが貼り付けられ、現場での処理時間を短縮出来るように準備されていました(トップ写真)。
フェルト&テープ幅は3-4種類。
これらを適宜切って、貼り付けたり巻き付けたりします。


まずはCine7背面、及び背面端子に接続しているコンポーネント・ケーブルの処理から。
ホームシアターの照明を灯し、PS3のメニュー画面をスクリーンに投射しながら、白須さんは本体背面に貼り付け、ケーブルに巻き付けます。

本体前面に接続されている電源ケーブルにも、フェルトを巻き付けます。



「これは期待出来そうですね。」とは、スクリーンをちらちら見ながらおっしゃる白須さん。
部屋を暗くしてスクリーン上を見ると…画面右上に常駐している文字列表示が、明らかにすっきりくっきりしています。
作業が本格的に進んだらどうなるのか、楽しみになって来ます。


プロジェクターのカバーを開け、レンズ周りにも貼り付けます。


本体内部はこんな感じ。


この時点で、部屋に照明が入っているにも関わらず、投射されている調整用クロスハッチに変化が見えました。
線がシャープになり、コントラストも向上しています。


さらに基盤部分を開け、その内部に貼り付けました。

基盤側にも貼ります。

主にケーブル類にサンダーロンを巻き付けます。
危険ですので、ここら辺の作業は電源を切っての作業になります。


私見では、基本的に次のような箇所に貼り付けられていたようです。

  • 貼り付けたり巻き付けたりしても、故障や事故にならない箇所
  • 静電気を出している箇所(黒く汚れている箇所)
  • ケーブル類


本体内部の処理は、素人はやらない方が良さそうです。
高熱を発する部分に貼り付けると熱でテープの糊が溶けてしまいますし、下手すると故障等のトラブルになりかねません。


カバーの裏側にも貼り付けます。
本体に貼り付けたくとも熱を発して貼り付けられない部分に面している箇所や、静電気で黒く汚れている部分に貼り付けます。

側面の金具類にも貼ります。


Cine7側の作業が終了すると、コンバージェンスを調整します。


コンバージェンスも合わせ、照明を消していざテスト上映!
…と思いきや、フォーカスがずれていました。
貼り付け作業の途中でもフォーカス調整を行っていたにも関わらず、静電気除電効果でどんどん動いてしまったようです。
BDのテスト投射時にも、フォーカスがずれて行きました。
レンズ周りに巻いたフェルトを見ると、静電気で盛んに起毛していました。
いちいちフォーカス調整の度に白須さんにお越し頂く訳にもいきませんので、調整方法を教えて頂きました。
フォーカス、コンバージェンスなどが落ち着くのか、日々見極めが必要そうです。


さて最初のテストディスクは『ダークナイト』。

ダークナイト [Blu-ray]

ダークナイト [Blu-ray]

ディスクを挿入してからの映像を観ました。
と、ここで忘れてはならないのは、プレイヤー、ディスク側の除電。
JODENジャケットでBDの除電を行い、ブラシでプレイヤーを撫でます。
ブラッシングする私を知らない人が見たら、オカルト系にはまっているアヤしい人と勘違いするかも。
ブラシはPS3の外側全体をなでます。
つまりディスク挿入口であるスロット・イン、本体前面の吸気孔、側面、背面端子類等です。
白須さんによると、AVラックも帯電しているのでブラッシングした方が良いとのこと。
また、プロジェクター単体だけではなく、ディスクや再生機器(アンプ含む)も除電しないと、除電効果はあっても少なくなるとのこと。
全体を除電して総体的に効果を高めるつもりでしましょう。


さて『ダークナイト』冒頭の銀行強盗場面。
アイマックス撮影部分ですね。


む。
明らかにコントラストが上昇し、色もよりはっきり出ています。
強盗犯たちのゴムマスクの質感も凄いリアル。
解像度も上がっていて、奥行き感が凄い。
スクリーンに吸い込まれそうです。
ここまでとは思ってもいませんでした。
はっきり言って新品プロジェクターよりもさらに高画質です。
というか、新品で納品してもらった前機種Cine 7 LTの新品当時よりも高画質。
7インチ管って、ここまで出るの????とびっくりです。
というか、今まで観ていた映像は一体何だったの?
機器の実力を出し切っていなかったんじゃないの?


コントラストが上がっているのは「感じ」ではありません。
論より証拠、設定値がかなり変わっているのです。
サンダーロン処理前、白須さんはコントラスト値92で設定されていました。
しかし処理後の設定では71。
それでも画面が明るく感じるのです。


今度は映像送り出し側であるPLAYSTATION 3に接続しているケーブルに、サンダーロン・テープを巻きます。
電源ケーブルコンポーネント・ケーブル、音声出力を担っているHDMIケーブルのそれぞれの端子に、テープをぐるぐる巻きにします。


上記ケーブル類のAVアンプ SU-XR700側に接続している端子にも巻きます。


視聴再開。
次に『ファイト・クラブ』。
先日書いた通りの高画質ディスクです。

こちらもJODENジャケットでディスクを除電してから再生を行いました。


序盤、主人公が睾丸がん患者の会に出る場面。
黒いシャツを着た男性が、カメラのこちらを見ている構図のところ。
黒シャツを着ている胴体の腹の部分と、彼の鼻の位置が、こちらから見た奥行き方向でかなり違う。
しかも背景は飽くまでも背景であり、彼との距離感がはっきり出ています。
スクリーンの奥行きに引き込まれそうでありながら、人物が前面に浮き出そう。
つまり物凄く立体的に見えるのです。


これは擬似立体映像です。
信じられないかも知れませんが、事実そう見えました。
いや、私自身、信じられませんでした。
明らかに映像の情報量が増大しています。
元の映像には戻れません。
但し、ノイズやジャギーも以前より見えるようになりました。
ソフトや再生機器の質がそれだけ明らかになったようです。


音も情報量が増しました。
ヘッドフォンで聴いているかのよう。
でもうるさくない。
臨場感が増しつつ、広がり感も出ています。
画と音での擬似3D体験です。


私「ここまで画が出るなら、1080pの固定画素プロジェクターはいらないですね」
白須さん「いやいや、デジタルならデジタルで、サンダーロンで凄い画が出るんですよ」


白須さんとも話しましたが、サンダーロン処理でここまで効果が上がるのであれば、AV機器メーカーにとっても大きいのでは、と思いました。
ハード内部にサンダーロン処理をすれば、安価でもハイCPの高性能AV製品が生まれるのではないか、と。
先日、アークスにプロジェクターメーカーの営業担当が来て、「社内でもこんな画を見たことがない」とまで言わしめたとか。
但し外面に貼るのは美観を損ねるのも事実。
デザインとの兼ね合いも出そうですが、内部だけでも効率良く貼っていけば随分と効果がある筈です。


調整中のおしゃべりでは、ここではとても書けない業界内の裏話も色々と聞けました。
やはり魑魅魍魎が跋扈している業界のようです。
特に、あらゆるズルい手段を講じる大手メーカーもいるとは驚きでした。
ばれたら訴訟問題になりそうなものですが…。
というか、欧米ではまず間違いなく訴訟で負けるような事例も教えて頂きました。
白須さんも、お店の信用問題になるので、そのメーカーの製品は扱わなくなったとのこと。
今後そこの会社の製品は、車も含めて買わないようにします。
また、故・長岡鉄男氏との出会いや、ホームシアター業者を仕事とするまでの話など、大変面白かったです。


白須さんは、システムやプロジェクターなど、新品をユーザー側で用意したものの調整だけ引き受ける、というのはしないそうです。
プロジェクターは初期不良が多いので、下手に引き受けるとインストーラーの責任問題になってしまう場合があるからだとか。
またそういった仕事を引き受けると、それだけユーザーを数多く抱えることになり、自分がインストールしたユーザーまで目が行き届かなくなるから、とのことでした。
ですが、既に使用中のプロジェクターや機器類の調整が不安な場合は、有料で調整してくれるそうです。
今回のように、プロジェクター等のサンダーロン処理も引き受けて下さるとのことですから、ご興味ある方は問い合わせてみては如何でしょうか。


今回はトライアルの意味もありますので、技術料と材料費含めての価格はここには書けません。
しかしこの値段でこれだけグレードアップするのであれば、相当にお得だったと言えます。
この値段で他の手段でグレードアップをすると考えた場合、プロジェクター買い替えは余程の中古品でなければまず不可能ですし、新品BDプレイヤーの購入もかなり限られてしまうでしょう。
第一、機器を買い換えても、ここまでのグレードアップは望めない可能性が高い。
折角自分で選んで買ったAV機器なのですから、こうやって使いこなした方が良いに決まっています。
そう言った意味でも、サンダーロン処理はウルトラハイCPだと断言出来ます。


白須さん、お疲れ様でした。
ありがとうございました。