days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

ホームシアター建設記(番外編)〜完成後:細かい工夫と、その他諸々


納品されたホームシアターは、当然ながらアークス)白須さんのノウハウが生かされたものとなっています。
私が気付いた範囲内ですが、幾つか紹介してみましょう。
ホームシアター建設記1-3」と重複する点もありますが、まとめたみたということでご容赦下さい。


●二重構造の部屋
防音・遮音対策で壁面が二重構造になっているので、エアコンの効きが予想以上に良かったです。
最初の冬は、通常の設定温度では暑くなるくらい。
AV機器や頭上のプロジェクターの発熱に加え、部屋の断熱効果が抜群だからです。
一度温かくなった部屋は、エアコンを切っても暫くは温かいです。
十分に温まった場合だと、エアコンを切って数時間は寒さを感じることなく過ごせます。


●部屋の平行面を減らす
定材波の発生を減らす為に、部屋の平行面が極力減らされています。
天井は変形なので床と平行ではないし、部屋全体がスクリーン方向に向かって微妙に狭まっているので、左右両壁面はやはり平行ではありません。

音重視でありながら、上品に仕上がっているのでそんなことを感じさせません。
スクリーン面の壁面と後ろ側は平行ですが、遮光カーテンがあるし、ラックにソフトがぎっしり入っているしで、殆ど平行になっていません。
因みにホームシアター納品時に、「どんなものか観てみたい」といらした東急ホームの現場監督さんは、床のフローリングの合わせ目と柱が平行でないのに気付かれました。
さすが住宅工事のプロ。
言われるまで全く気付きませんでした。


●スクリーンより下は暗く、スクリーンより上は明るく
壁面が全て暗めの配色(こげ茶色のペンキ、ダークブルーの壁紙)なのに対し、天井部分は全て白になっています。
白は光を反射するのでスクリーンに影響を与えてしまうので、普通ならばホームシアターの敵です。
しかしスクリーン上に出っ張った部分があるのと、天井が高いので白い部分がスクリーンに影響を与えていません。
これで画質も良いし、且つ開放感が得られました。
ここら辺の白須さんのセンスは素晴らしいです。


●AVラック
木製の大型ラックで、手で簡単に移動可能です。
底面には滑りやすいように何か貼られているみたいです(未確認)。
機器背面のケーブル接続はラックを動かして行うので、かなり楽ちんです。
但し子供では無理な重さだとも言っておきましょう。
木枠にガラス板を平行に置き、その上に機器を置くタイプのもの。
音響面を考慮し、前面にガラス扉の類はありません。


●ケーブルを隠すCD管
ホームシアターで問題になるのが長くなりがちなスピーカ・ケーブル類です。
特に機器を収めたラックから遠くなればなるほど、ケーブルがむき出しの場合は余計に目立ちます。
そこで壁面内にCD管を隠し、この中をスピーカケーブルを通します。
お陰で見栄えはすっきりします。

写真はフロントスピーカ裏側にあるCD管とコンセントです。
コンセントはサブウーファー等を使用する場合を想定してあるようです。
人によってはパワーアンプとかを前方に置きたくなるかも知れませんね。


●遮光カーテン
遮光カーテンも性能がクラス別のようですが、これは恐らくかなり上位なのではないでしょうか。
しかしカーテンとカーテンの合わせ目、カーテンと壁の間から光が漏れないよう、工夫がされています。
左右カーテンの合わせ目から光が入らないよう、カーテンレールは写真のように重なっています。

それだけでは不十分なので、左右カーテンの壁側部分はがっちり壁面に固定されています。

どのようになっているのかと言うと、壁面(写真だと青い壁紙の方)にレール状のものが固定され、そこにマジックテープでカーテンが固定されているのです。
これで端からの光の漏れはありません。
マジックテープなので、クリーニングに出す場合はビリビリ剥がせば取り外せます。
個人的には「おぉ」と思った箇所でした。


●調光

ルートロンでも採用するのかと思っていたら、打ち合わせ時の白須さん曰く「それでは足りません」。
全部で7系統に分かれているという、かなり大掛かりなものとなりました。
細かく分かれていて、しかも5系統は明るさを調整出来るので、照明の自由度が高いです。
例えば音楽だけ聴きたい場合は暗闇にせず、間接照明だけにしたり、小さい子供が映画を観たい場合は少しだけだけ灯りをつけたり。
部屋の雰囲気も変えられるのも嬉しい。
電球なので暖色が心地良いです。
特に重宝しているのが、プロジェクター吊るし台に付いているもの。
写真左にあるリモコンでもって、調整が楽々。
リモコン操作などをしたい場合、短時間だけボタンが分かる程度に明るくしたい場合などに使います。


●聴覚障がい者インターフォン
インターフォンは設置されていますが、大音量での鑑賞時に呼び出し音が聞こえない可能性が高いです。
実際、電話の音なども気付かない場合もありました。
そこでフラッシュライト内蔵のインターフォンが設置されました。
真っ暗闇のみならず、屋内が明るくてもかなり部屋全体がピカッ、ピカッと光るので、来客が分かりやすいようになっています。


●換気扇

「10人もいたら酸欠になります」ということで取り付けられたもの。
大人数のときはこれを回しているからか、今のところ酸欠で倒れた人はいません。
数人程度の場合でも、長時間この部屋を使うときは回しています。
実際には24つ取り付けられており、スクリーンのある前方と後方にあります(片方が吸気、もう片方が排気)。
大きさは20cm四方程度と小さいのですが、冬場にエアコンを運転させても換気扇を回すと足元がスースーするので、意外に強力なようです。
音は静かですが、無音状態だと動作音が聴こえますが、機器の音を出すとまるで聴こえません。
これを逆手に取って、1人のときに回すこともあります。
理由は無音時に耳が圧迫されたかのように感じるから。
電源が入った機器や照明スイッチからは「ジー」という音が聴こえますが、その程度では部屋の防音・遮音のせいで耳鳴りに近い状態になるようです。
よって「何を再生しようかなぁ〜」などとラックを眺める時間が長い場合は、換気扇を回して耳鳴りを防ぎます。


●分電盤
2階浴室の脱衣場壁面にあります。

エアコンみたいですが、蓋を開けるとこうなります。

ホームシアター用と居住用に分けられており、シアター用はさらに8つに分けられています。
それぞれが独立しており、余計なノイズを拾わないようにしています。
契約は60A。
これで十分かと思いきや、今冬は何度かブレーカが落ちました。
原因はAV機器ではありませんでしたが…(^-^;


部屋そのものではありませんが、期待外れだったのがヤマハのサブウーファーYST-SW800でした。
梶が谷のマンションで部屋を振動させた強者だった筈が、この部屋ではまるで小心者の小兵。
かなりレヴェルを上げても低域がまるで不足していました。
そこでメインスピーカのS-LH5aにLFEを入力して、ようやっと低域が出て来たという次第。
これはYST-SW800のせいではなく、部屋のエアヴォリュームが機器の想定以上にあり過ぎたからです。
今では『ロード・オブ・ザ・リング王の帰還』に登場するナズグル(モルグル)王の台座となっています。
中々見栄えは良い感じです(何とも贅沢な台座ですが)。


かつて私自身の考えでは、AVルームというと機器類とケーブル類が溢れかえる、圧迫感のある部屋だというものでしたが、居住性も良いので客人への接待にも使える部屋に仕上がりました。
全体的にAVルームとしての機能性を落とさず、デザインも重視された部屋になっていて、白須さんの仕事振りにもとても満足しています。