days of cinema, music and food

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青森県南部小旅行記(1)


例年ならば何泊かする旅行に行っていたものの、子供が生まれてからは昨年のグアム旅行に行ったきり。
しかも昨年はまだ1歳というのもあって親にべったりで、こちらの疲労度も高かった。
そこで今年は「楽」をキーワードに、私の母方の実家に2泊することになりました。
場所は青森県の南部、三戸郡にある田子町です。
この町は高級にんにくで有名。
祖父母宅は農家で、にんにくとホップを主力に作っているようです。
そのにんにくは、料亭や高級レストランでよく使われています。
うかい亭やにんにくや五右衛門などもそう。
後者は以前、店の入り口に「田子のにんにくを使っています」の旨、わざわざ張り紙がありましたが、今はどうなのでしょうか。
ここのにんにくは1粒1粒が通常のものに比べてかなり大きく、みずみずしくてしっかりしていること。
スーパーでも売っていることもあり、1房2-300円もしますが、機会がありましたらどうぞ。


以前は祖父母宅にちょくちょく遊びに行き、またここを拠点にして友人らと安比スキー場に行ったりすることもありましたが、結婚後はそうもいかず。
妻を連れて2人で行ったのが2003年の夏季休暇時期でしたから、今回はおよそ7年振りの訪問となります。
祖父母とは2-3回ほど会っていますし、娘も赤ん坊時に1度会っていますが、さて野趣溢れる農家を楽しんでくれるかどうか。
まぁ楽しんでくれるでしょうが、人見知り、場所見知りの娘は親にべったりかな…と予想しましたが、さてどうなるやら。


早朝4時半に起床してタクシーを呼び、朝5時13分始発の各駅停車に乗って出発。
普段は6時台に勝手に目が覚めることの多い娘も、さすがに早かったかうたた寝
はい、新幹線ではばっちり目覚めて大騒ぎでした。
しかも車の助手席、旅行時のバスや電車、歯医者と、「固定化されるとほぼ必ず寝てしまう」私は爆睡状態。
その間、妻1人が娘の遊び相手となっていたのでした(^^;


今回は少しでも安く上げる為に、JRの株主優待券を金券ショップで購入しました。
目標は8枚入手で、往復で1人4割引きを目指しましたが、残念ながら7枚しか入手出来ず。
1人は4割引き、もう1人は3割引きとなりました。
車が無いと現地では話にならないので、二戸駅にてレンタカーを調達。
こちらは3日間で1万5千円となりました。
宿泊費はタダですし、全体にかなり安く上がったと思います。
まぁしかし、片道3時間の新幹線で二戸まで行くようになったのですから、楽になったものです。
かつては盛岡までしか行っていませんでしたからね。


新幹線内で食べたお弁当(トップ写真)も堪能し、さて二戸駅に3時間で到着。
因みに祖父母宅に電車で行く場合は、大体カツサンドを食べることにしています。
というのは子供の頃、青森行きの特急はつかりの車内販売弁当でカツサンドを初めて知り、その美味しさにびっくりしたからなのです。
それ以来、はつかりに乗るときはカツサンドが楽しみで仕方ありませんでした。
カツサンドは私にとってのノスタルジーと結びついているのです。
さて二戸ですが、前回は祖父母の傘寿(さんじゅ)祝いでしたから、2年半振りになります。
外に出ると…お、関東と違って涼しい!と思ったのは日陰だったから。
日差しに出るといきなり暑いです。
こちらも連日30℃以上で東北にしては猛暑。
いやはや…
駅に張ってあったポスターで、ちょうど祭りが今日・明日とあることを知ったので、また夕方に戻って来ることになりました。


新幹線と一緒に利用すると割引サーヴィスのあるとれんたくんも考えましたが、株主優待券使用だとその割引も使えないので、今回はトヨタレンタリースを利用しました。
車はパッソ。

当然ながらAT車です。
ギアはコラム式なのは良いとして、サイドブレーキがペダル式なのが難物。
交差点のワイパー誤操作もやってしまいましたが(^^;、このペダルの位置が最後までよく分からなかったです。
これは妻も同様でした。


二戸から田子町までは、のんびり走って40分くらいでしょうか。
丁度昼前だったので食事してから祖父母宅に行くことにしました。
ランチは田子町唯一のレストラン、ガーリックセンターです。
ここはにんにくを使った食品や御土産、にんにく使用の料理などが食べられるところで、食べ物に興味ある方にはお薦め。
メニューは色々変わっていましたが、にんにく使用の基本は変わらず。


ミニカレーライス。

カレーはにんにくの粒がごろんと入っていて、それがまたほっくりしていて美味しいです。
缶詰カレーの御土産もありますよ。
にんにく味噌焼きおにぎり。

味噌らーめん。

にんにく餃子。

余程お腹が空いていたのか、娘はにんにく餃子をほぼ完食してしまいました。
餃子はにんにく無しが大好き、にんにく入りは苦手な私には、1皿全部食べるのは難しいこの1品。
おやおや、この子はにんにくOKなんですね。
ニンジャー麺。

にんにく入りのジャージャー麺、という意味のようです。
どれも美味しかったけれども、特にこれは美味しかった!
お勧めです。
レストランホールの天井からは、にんにく型のペンダント照明が。

こだわっています。


どれも美味しかったですが、今回特にお薦めなのは、ハイ、にんにくアイスクリーム。

名前からしてビビりそうですが、ちゃんと美味しいのです。
ちょっと後味を引くのですが、にんにく臭くなく、かといって普通のソフトクリームとはまた違っていて、少し変わっているのにとても美味しい。
このバランスが絶妙で傑作スイーツだと思います。
機会がありましたら、是非食べてみることをお勧めします。
座って食事を取っていると、食事はしなくともこれだけ買って帰る人も多いようでした。
どうやら名物のようです。


ここの御土産でお薦めはにんにくラーメンセット。
「(にんにく臭から)逃れられない」と言ったのは友人べっくですが、麺そのものににんにくの粉が練り込まれているので、売っている状態から既ににんにく臭がしています。
麺1玉も普通のラーメンよりも大きく、恐らく1.5倍くらいあるのではないでしょうか。
通販もありますので、ご興味ある方は是非どうぞ。


さすがに満腹となったので、ガーリンクセンターを後にして祖父母宅に向かいます。
巨大な丘の上にあるのですが、新たな道路が作られていたりで迷ったりもしましたが、無事に到着。
祖父母、伯父叔母夫婦も元気。
家も相変わらず都会では考えられない程の超大邸宅、と言いたくなるくらいの広い平屋です。
丁度大阪の私立高校からの2泊体験農業とあって、女子高生4名も泊っているときでしたが、こちらもあちらもお構いなく。
相変わらず大らかなのです。
場所見知りするかと思った娘は超大喜びで、きゃははと家の中を駆けずり回ります。
雑種の猫を飼っていて、名前はミルクちゃん
ミルクちゃんは小さい子供を見るのが初めて。
娘は犬慣れしていますが、本物の猫を見るのは殆ど初めて。
お互いにどうしてよいのか分からない感じだったようですが、娘はミルクちゃんをひっぱたきます。
叱りますが、言う事聞かず。
ミルクちゃんはー?」と言いながら探して、みつけるとぱしり!
ひっかかれたり、軽く噛みつかれたりしますが、めげずに喧嘩を売る娘。
困ったもんです…


昼寝がやっかいでした。
東北でも数十年以上振りの猛暑とあって、ストーブこそあれどもエアコンなぞありません。
農家にとって昼寝は大事なのに、暑くて中々寝られません。
扇風機を回して汗かきながらの昼寝になります。
これには皆、参っていました。


夕方からは二戸祭りに3人で出掛けました。
市街地に入ると、通り沿いに提灯がぶら下がっています。
これが結構な距離で、恐らく市街地の端から端までぶら下がっていたのではないでしょうか。
どんどこ和太鼓の音も聞こえて来ます。
とあるスポーツ用品店の駐車場に停めて、その近辺を散策しました。
太鼓の音がする裏通りに行ってみると、そこはもう住宅街。
広い庭の家も多い。
10代-40代の20人くらいのグループが、一般家庭の庭に入って太鼓や踊りを見聴かせします。

どのような基準で入る家を決めているのか分かりませんが、寄付とかしている家なのでしょうか。
10分程後を付けて、伝統と思しき行事を眺めてみました。


先ほど通った大通りに戻ると、人が増えてきています。
幾つか見たい行事があったので、楽しみ。
出店も広場にずらり並んでいて賑やか。

女性は浴衣を着ている人は少なく、甚平みたいなものが多かった。
これは家の近所と同様。
一方、若い女性の多くの化粧(特に目元)が濃い目なのが特徴だったと思います。
出店のチョコバナナ。

最近のは、こんな風に輪切りでしたっけ?
それとも東北のみ輪切り?
こちらでは丸ごとチョコバナナだったような気がしますが…


さ、大通りも賑やかになってきましたよ。

山車が次々と通って行きます。

特にこの山車は和太鼓を幾つも載せて叩きながら移動するので、かなり迫力がありました。
今夏は祭の太鼓にすっかり魅了された娘は「たいこだよっ」と指差していました。
そして私も楽しみだったのが、岩手銀行二戸支店前にて行われた、二戸大作太鼓。

駐車場の仮設ステージにて、迫力ある演奏が1時間弱も行われます。
メンバーは曲ごとに入れ替わりますが、女性陣の割合の高さが印象的でした。
また上写真前列左から2番目の白人男性が超ノリノリで、掛け声が一瞬「Yea!」と聞こえたのは気のせい??

地元中学生も参加。
ちゃんとリーダーがいます。
こちらも皆、頑張っていました。
演奏終了後はステージを一般に開放。
娘も暫く叩いていました。

大太鼓は背の高さが足りないので、妻に肩車されてぽんぽこ叩いています。
家でも洗濯かごを逆さにして「たいこだよっ」と言って叩いていますからね。
今の彼女のブームなのかも知れません。


これでもう少ししたら切り上げ、祖父母宅に戻るつもりが、駐車場が21時の祭終了までの通行止めゾーンにあることに気付きます。
電話して遅くなることを伝え、最後まで祭を見届けることになりました。


暗くなってから、岩手銀行近くにてマーチングバンドが演奏開始。
いやぁ、凄く上手い演奏だなぁ、と思っていたら何と小学生。

石切所小学校マーチングバンドだそうですが、全国大会1位だとか。
そりゃ上手い訳だ。
ここは殆どが女の子ばかりで、男子は4-5名。
指揮者の先生も女性で女性比率が高いバンドでした。
19時前からは大通りを延々流し踊りが踊ります。

祭終了の21時前までありましたから、2時間くらい延々あったということです。
会社で全員参加!というノリなのでしょうが、この動員の凄さもまた、地方ならではなのかも知れません。
トリを飾った有志若者グループは、横移動が激しい踊りで、こりゃぁ凄い体力使うなぁ、と感心してしまいました。


お祭もほぼ終了してから、和太鼓の轟音が響き渡ります。
行って見ると、先に紹介した和太鼓大量搭載の山車が、車庫にて大演奏。

若者ばかりで叩いていて、疲れると別の人に交代していました。
手前の小さい女の子もノリノリ。
岩手銀行にて和太鼓演奏を聴かせてくれた白人男性は、ここでは聴衆としてヴィデオ撮影。
本当に和太鼓好きのようです。
魅了されるのも分かりますね。
原始の力を感じる音色ですから。


この祭を見ていて強く感じたのは、文化や伝統の継承でした。
老人から若者(幼年まで含む)が、違和感無く溶け込んでいるように見えたのです。
疲弊している地方と言われますが、それでもこういう側面もあるようでした。


さて、終了後は帰路を急ぎます。
祖父母宅には大阪の私立高校の女子生徒4人が2泊中。
農業体験を三戸地方で受け入れているのだとか。
明日は帰阪するので今夜はBBQをするというのに、前述の理由で足止めを食らってしまったので、何とか間に合えばと思っていたのです。
途中、コンビニでお土産のアイスを買おうとしたら、冷凍庫の中は全てチョコ系のしかもクリーム系ものもばかり。
東北にはガリガリ君のような氷菓は無いのか???
しかも虫が凄いのを思い出しました。

東北のコンビニ入り口が二重になっているのは、冬場の寒気対策だけではなく、夏場の虫対策の意味があるからのようです。


帰宅すると既にBBQは終了。
女子高生らは日中の農作業でヘトヘトだとか。
特にこの日はホップ工場での熱気の中での重労働で大変だったようです。
アイスを皆で食べて軽く会話、猫のミルクちゃんの餌やりに興味津々の娘。

湯上り後も「ミルクちゃんは?」と探し、座卓下にいるのを見つけて潜り込み、ぺしと叩いて反感を食らう悪い娘の姿がありました。

玄関横には、飼い犬のナチとチョビの老夫婦が、「うるさいなー」と言いたげな顔でこちらを見ていました。