days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Luftslottet som sprängdes


本当は9月24日に観た映画ですが、今更ながらご紹介です。
スティーグ・ラーソンのベストセラー3部作最終作の映画化『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』を観て来ました。
平日金曜朝9時からの回は十数人の入りです。


第2部『ミレニアム2 火と戯れる女』のラストから直接続く作品で、日本では同時公開。
もちろん、第2部は先日鑑賞済みです。
本作だけいきなり観てもさっぱり内容は分からないでしょう。
もっともそれは第2部もそうでしょうが、第1部を観て面白いと思った方は続けて第2・3部も観てもらいたいです。
私のように原作にかなり夢中になり、第1部『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』を観に映画館まで駈け付け、若干物足りなさを感じた人にも観てもらいたい。
いやいや、この3部作、トータルで観たらかなり上出来なのではないでしょうか。
複雑でかなり込み入った原作を、枝葉をかなり刈り込んですっきりとしたものにしているとは言え、それでも多岐に渡る登場人物たちが複数同時進行で張り巡らす策略のスリリングさを、少なくとも映画版は描くことに成功していると思います。
無論、原作ファンからすると削除された要素も多いので物足りなさを感じることもありますが、映画としては相当に面白い。
一種の密室ミステリだった第1部、スリラーだった第2部、エスピオナージュ&法廷ものとなった第3部と、趣向を変えつつも筋が1本通っているのは、ヒロインであるリスベット・サランデルの存在が強いからです。
演じるノオミ・ラパスは美人ではありませんが、力強い演技を見せてくれて強い印象を残します。
もう1人の主役でもあるミカエル役ミカエル・ニクヴィストが、原作と違ってハンサムでもないのは、結果的に成功していたのではないかとも思いました。
味のある造形で正義感が鼻に付くことも無く、リアルでした。
現在撮影中のハリウッド・リメイク版第1部はダニエル・クレイグが演じていますが、クレイグならばハンサムであっても嫌味無い演技を見せてくれ、また違ったミカエルを見せてくれるでしょう。
こちらも期待したいですね。
デヴィッド・フィンチャーと、どこか変態的な感じも出せるクレイグの相性も良さそうですしね。


DVDやBlu-ray Discなどが出たら、レンタルでも良いから観てもらいたい3部作です。
お勧め!