days of cinema, music and food

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Knight and Day


『ナイト&デイ』レイトショウ鑑賞に行って来ました。
これも実際に行ったのは、公開間もない10日の夜。
3連休中日の日曜21時45分からの回、TOHOシネマズ ららぽーと横浜の2番劇場は126席の内9割が埋まっていました。
これはもう、来日もしたトム・クルーズキャメロン・ディアスのスターパワーでしょう。
しかし映画は肝心の2人がオーラを失いつつあってパワー不足でした。


映画はひょんなことから凄腕工作員トム・クルーズ)と、彼が属するCIAの追撃戦に巻き込まれたキャメロンの視点で進みます。
まぁ、正確には全編そうではないのですが、ほぼ彼女の視点で描かれています。
どうやらCIAは工作員が狂気に陥って邪魔だとして、排除しようとしている模様。
さて真実は如何に?


往年のアルフレッド・ヒッチコックだったらもっとスマートに描きそうな題材ですが、そこは現代ハリウッド映画。
CGを駆使した派手なアクションつるべ打ちで描きます。
勿論、コミカルな要素もてんこ盛り。
トム・クルーズのどんな切羽詰った状況でも洒落っ気のある台詞を忘れないところとか、キャメロンのリアクションとか、観客を笑わせようという姿勢は貫かれています。


監督はジェームズ・マンゴールド
17歳のカルテ』、『“アイデンティティー”』、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』、『3時10分、決断のとき』といった佳作を思い出してみましょう。
面白いし、スリリングなところはスリリング、ダイナミックな部分はダイナミックでした。
それでも生真面目さが付きまといます。
優れた監督、脚本家だとは思いますが、この題材との相性には事前に不安を覚えました。
果たしてその予感は的中です。
この監督は良く言えば生真面目。
悪く言えば野暮。
やはり素材との相性が悪く、彼の良き個性さえ消えてしまっています。
ダイナミックなアクション描写はCG駆使映像に駆逐され、元々テンポの良さで見せる監督ではないので弾みません。
退屈はしないけれども、楽しくは無い映画に仕上がってしまいました。


主役2人も役は合っているが勢いや若さが足りない。
内容と外見の年齢が似合っていません。
これは2人にとって、数年前に作られるべき映画でした。


トムを追撃する役はピーター・サースガード
マギー・ギレンホールとの夫婦生活が幸せだからではないでしょうが、ニコニコ太り気味。
役作りだとしたら似合っていますが、何だか一気に歳取ったように見えました。


ところで映画はザルツブルグでロケをしています。
妹が同地に留学中なのですが、ロケ撮影を知っていたにも関わらず、現場は見逃したとか。
折角大スターが出ているのに、勿体無いなぁ。