Burlesque
シェール&クリスティーナ・アギレラ主演のミュージカル映画『バーレスク』初日に行って来ました。
朝10時10分からの回は30人程の入り。
ミュージカル映画は好きなので、もう少し入ってもらいたいところです。
映画は少女漫画の王道路線とでも言いたくなる内容でした。
田舎から出て来た天涯孤独な、だが才能抜群の少女がロサンジェルスのバーレスクにて頭角を現わし、スターの座から引きずり落とされた歌姫の嫉妬を買うものの、イケてるバーテンダーと恋に落ち、スターとなって行きます。
一方、スターである店のマダムは、店が借金のかたに取られそうになっていますが…
スティーヴ・アンティンが書いた脚本は陳腐そのもの。
台詞や展開が笑っちゃうくらいに「良くあるパターン」。
その演出は全体的に非常に生真面目で、ステージ場面は迫力はあるものの、高揚感がもう少し欲しいし、メリハリも欲しい。
『ヴェロニカ・マーズ』ことクリステン・ベルのスターの嫉妬は可愛いものだし、スタンリー・トゥッチは気の良い賢者でゲイの衣装係って『プラダを着た悪魔』と同じ役。
お久しぶり眉毛のピーター・ギャラガーは可笑しいものの、残念ながら大した役ではありませんでした。
こちらもお久しぶりアラン・カミングも、全くの脇役で残念。
内容が酷似しているポール・ヴァーホーヴェンの怪作『ショーガール』に比べても、毒もドギツサも薄い。
ということで映画的な膨らみや味わいには乏しいのですが、これがじゃぁダメな映画かと言うと、そう切り捨てられない魅力があります。
ズバリ、歌とダンス。
これですよ、これ。
クリスティーナ・アギレラは天才役なので、歌も踊りもバッチリ全開。
彼女が初めて脚光を浴びる場面は、これも良くあるパターンなのに、彼女が歌い出したらゾクゾクしました。
ダンサー達の踊りも迫力満点。
セクシーできわどい衣装の数々も雄弁な肉体によって、文字通りダンスの一部と同化してしまいます。
シェールの貫禄ある歌声も聴き所。
後半のとある場面で歌う場面が映画のハイライトと言っても良いと思います。
ダンサーの中で目を引く役だったジュリアン・ハフは、『フットルース』リメイク版でヒロイン役のようですね。
カントリー・シンガーとしても活躍中との事ですが、そのリメイク版は楽しみです。
『バーレスク』は映画としてよりも、最初からボードヴィルショウとして割り切って楽しむべき作品でしょう。
スティーヴ・アンティンは『告発の行方』で役者として出ていたようですが、まるで記憶にありません。
若者たちの1人で居たかも…と、かなり記憶あやふやです。