days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

"Kick-Ass"&つばめグリル


18日から全国限定公開が始まった待望の『キック・アス』。
これが評判を呼んで、先週末25日からいきなり劇場が全国的に増えています*1
その殆どがデジタル上映のようです。
フィルムと違ったフットワークの軽さと同時に、Twitterやblogなどのネット・コミュニケーションによる口コミが、拡大公開を呼んだのは間違いありません。
と同時に、連日Twitterで一生懸命つぶやいている宣伝担当者の方々の尽力も忘れてはなりません(こちら)。
観衆と興行側が「これは本当に良い映画だよ」と一体になって盛り上げた結果だと思います。
寡聞にして拡大公開の結果がどうなったのか分かりませんが、とても良い映画なので、地方の方も地元で上映の場合は劇場で鑑賞してもらいたいものです。


ということで、ようやっと今日になって観に行けました。
月曜11時15分の回、219席の劇場は7割の入り。
世間的には年末休みの人も多いと予想されるとは言え、平日にしては中々の入りではないでしょうか。
パンフレットも売り切れ続出らしいので、鑑賞前に入手しました(トップ写真)。


以前ご紹介したようにUK盤Blu-ray Discにて英語字幕での鑑賞済みですが、良い映画なので妻にも観てもらいたかったのと、自分も日本語字幕版で改めて観たかった、というのが劇場まで足を運んだ理由です。
それに劇場の熱気があるならばそれも感じたかったですし、関東メインのシネセゾン渋谷が本作の次に上映する『デューデート』を最後に閉館と聞き、最後に訪ねたかったのもあります。
ここでは『トーク・トゥ・ハー』や『CUBE』等、何本も観た映画館です。
また来月には、『ガタカ』や『イギリスから来た男』、『インティマシー/親密』等を観た恵比寿ガーデンシネマも閉館とか。
渋谷近辺でミニシアター系が次々と姿を消すのは残念ですねぇ。



自宅ホームシアターにて本編は鑑賞済み、マーク・ミラー&ジョン・ロミータ・Jrの原作も読了
それらを踏まえた上で劇場で改めて観直して見ると、これが自分でも意外でした。


自宅で1人で観たときよりも、自分の中で断然盛り上がる!


上映中は観客の反応も意外に静かだったのに対し、私の中での盛り上がりは段違い。
前回は英語字幕での鑑賞というハンデもあったとは言え、内容は大体理解していたのを今回の鑑賞で確認出来ました(ついでに言うと、町山智浩監修の字幕は原語の口汚さを伏字を使いながらも、そのアブなさを表現出来ていたと思います)。
次に何が起こるのか分かっているというのに、この内なる燃えは何なのだ、と自問自答しました。
終盤での緊張と暴力が最大限にギリギリと引き伸ばされる凄み。
暗闇での救出劇のカタルシス
とある別れの悲しみ。
クライマクスの殴り込み大爆発。
思い返すと、これらエモーショナルな場面は、クロエ・グレース・モレッツ(クロエ・モレッツ)演ずるヒットガールが絡んでいるものばかり。


「燃え」ではなく「萌え」なのか。


いやいや、実質彼女が主演の映画と言っても過言でないのだから、燃えでも萌えでも正しいのでしょう。
とにかくこの映画の彼女はその存在自体が見せ場になっているのですから。
こうなったら、燃えでも萌えでも、どちらでも良いや。


この映画が強烈なのは、いみじくも妻が「やりたい放題だな」と言った通り、一般的な道徳観をある意味破棄した点にあると思います。
11歳のヒロインは口汚いCワードを吐き、その幼女が大の大人を容赦無くめった殺しにする。
この突き抜けた描写が作品のパワーとなっているのは間違いありません。


マシュー・ヴォーンの引っ張る演出には目を見張らせられます。
これぞ映画、これぞアクション。
笑いと恐怖が暴力的に団子になって観客席に襲い掛かります。
こちらはどんなに恐ろしい場面であっても、どんなに可笑しく滑稽な場面であっても、金縛りにあったようにスクリーンを、大画面を見つめるしかありません。
スクリーンサイズは、劇場公式サイトによると8.50m×3.60mとあるので、ミニシアターとしてはまぁまぁの大きさでしょう。
それでもはっきり言って、我が家のホームシアターに比べて画質も音質も良くありません。
いや、我が家の方が全然良いじゃないか。
今や旧世代となった三管プロジェクター使用とは言え、Blu-ray Discによるクリアな画質と音響は、残念ながら設備が最新鋭でもないらしいシネセゾンよりも断然良く感じられました。
それでも自宅よりも圧倒的に大画面。
これにやられたのか。
あるいは百数十人の観客を一緒に鑑賞したからなのか。
やはり自宅はミニミニシアターなのか。
理由は分かりませんが、逆説的にはこれがホームシアターの限界なのかも知れないと思い、かなりの驚きを感じたのです。


と、私としても至極意外な結果となった劇場での鑑賞。
これもあって、来年発売されるであろうDVD-VIDEOやBlu-ray Discでの鑑賞よりも、出来れば劇場での鑑賞をお奨めしたい次第です。


一緒に観た妻もかなり面白かった様子でしょっちゅう笑っていました。
別れの場面もほろり涙。
ヒットガールを我が家の超お転婆娘に重ね合わせて、得意げにバタフライナイフを振り回す場面でさえ、「怪我しないか」とハラハラしていたそうですが、終幕も頑張れ〜と応援していたそうです。
主人公デイヴの恋人役リンジー・フォンセカは「デニース・リチャーズ顔だ」とのことでした(^^


さて映画の後はつばめグリルにてランチを取りました。

幾つか店舗がありますが、数年振りのつばめグリルです。
妻は和風ハンブルクステーキ、私は定番のつばめ風ハンブルグステーキを注文しました。
またランチメニューには無く、通常メニューにあった牡蠣のオーヴン焼きも注文です。


定番のトマトサラダ。

トマトまるごと1個を使ったサラダは、トマト自体に自信が無いと出来ない料理ですよね。
しっかりした歯ごたえと味わいを楽しみましょう。


牡蠣のオーヴン焼き。

生牡蠣も良いけれども、焼き牡蠣も美味しい、美味しい。
火が通り過ぎていなくて旨みを逃していません。
レモンを絞らなくても十分海の味を堪能出来ます。
今の季節は牡蠣を食べなくっちゃ。


妻の和風ハンブルグステーキ

私も1口頂きました。
大根おろしと一緒に食べるのでかなりあっさり、さっぱり。
ハンバーグ自体の味が良いのがはっきり分かります。


私のつばめ風ハンブルグステーキ

ここに来たらこれを食べたくなりますよね。
熱でぱんぱんに膨れたアルミフォイルを破ると、湯気と香りが立ち上り、期待が胸膨らみます。
いつも存在を忘れてしまう牛肉1欠けも入っていて、毎度嬉しい驚きを与えてくれますよね。
安心して美味さを味わえる料理です。
付け合せのごろんとしたじゃがいもも、美味しく頂きました。


食事中は勿論『キック・アス』の話で盛り上がりました。
映画を観終えた後の会話も食事に美味しさを与える要素ですよね。
ご馳走様でした。

*1:12/28付記:最新情報はこちらをどうぞ。http://www.kick-ass.jp/news/theater.html