days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Unstoppable


トニー・スコットデンゼル・ワシントン5度目のコンビ作『アンストッパブル』を観に行きました。
日曜朝9時55分からの回、近所のシネコンの180席の劇場は4割の入りです。


娘を実家に預けて妻と行ったのですが、実は事前は妻はまるで興味無しでした。
でも1時間半の映画だから、退屈でも耐えられるだろうと思っていたら、予想外に面白かったとのこと。
私もこれは中々だと思いました。
いや、ひょっとしたらトニー・スコットの最高傑作の1つでは、とさえ思いました。


有毒物質と燃料を大量に積載した無人貨物列車の暴走と、それを食い止めた別の列車の機関士2人を描いた映画は、アクションとスリルたっぷり。
元となった実際の事件は死傷者も出ず、爆発も無かったようですが、映画版はかなり派手。
それでも、1時間半強に詰め込めるだけ詰め込んだ危機また危機に手に汗握ります。
クライマクスも二段構え三段構えで盛り上がりました。
ここ最近目に付いたトニスコ特有のチャカチャカした編集も陰を潜め、正攻法で描いたのも正解です。
但しカメラ動かし過ぎなのは笑いそうになりました。
運転席をやたら左右にパンするのが余りにしつこく、まさか…と思っていたら本当に映画の最初から最後までその繰り返し。
この映像センスはどうなのよと苦笑しつつも、総体的には満足度が高い映画でした。
スコットとワシントンのコンビには、同じく鉄道を題材にした一昨年の『サブウェイ123 激突』という駄作があり、大いにガッカリさせられたものでした。
あちらに比べて、こちらは常に動き続ける列車というこれで面白くなかったら相当に才能が無いに違いない題材を扱っているものの、それでも面白さは格別です。


贔屓の1人デンゼル・ワシントンは味のある機関士役。
こういう市井の人も似合いますね。
一方の若い相棒となるクリス・パインは熱演。
ワシントンに胸を借りる形になっています。


映画ファンとしては、黒澤明の原作を映画化したアクション・ドラマ映画『暴走機関車』を思い出しました。
アンドレイ・コンチャロフスキー監督、ジョン・ヴォイト主演、エリック・ロバーツ共演の映画も、中々重量級の出来でした。
あちらに比べると遥かに娯楽色が強いのがこちらです。
人間ドラマもありますが、主役はあくまでも列車とアクション。
大画面と重低音ビシバシの大音響で、暴走列車を体感してみて下さい。