days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

Law Abiding Citizen


完全なる報復』を観て来ました。
公開2日目の日曜19時15分からの回は私も含めて13人の入り。
知名度や宣伝等の知名度からすると、まぁ…この程度の入りでしょうね。


ジェラルド・バトラーは発明が得意の家庭人でしたが、突如押し入った賊たちに妻子を殺害されてしまいます。
弁護士のジェイミー・フォックスは証拠不十分を理由に司法取引を行い、犯人は軽罪となります。
それから10年後。
賊たち2人が立て続けに殺されてしまいます。
犯人は復讐に燃えるバトラー。
刑務所に収監されるも、当時の司法関係者・弁護士らも次々殺害されて行きます。
今や検事となったフォックスは事件を阻止出来るのか。
そしてバトラーは一体どのような仕掛けで事件を起しているのか。


原題は「法を遵守する市民」。
法の抜け穴によって悪を裁けなかった司法に復讐を挑む男の話です。
監督は『交渉人』、『ミニミニ大作戦』のF・ゲイリー・グレイ
この人らしく緊張感はあるものの、旨みはありません。
それでも手軽に楽しめるB級スリラーとしては十分でしょう。
そう、スター2人を主役に添えているものの、B級臭たっぷり。
ホラー映画も真っ青のエグい描写もたくさんあります。
日本の映倫はR15+で理由は「刺激の強い数々の殺傷の描写と出血飛散・惨殺死体の描写がみられ、標記区分に指定します。」
北米MPAAは「Rated R for strong bloody brutal violence and torture, a scene of rape, and pervasive language.」
まぁ、観に行かれる方はある程度覚悟されると良いかと。
そのような描写や、後半の笑ってしまうトリック等、ジャンル映画を観ているときの微笑み(「よーやるわー」)を浮かべてしまいます。


トンデモ脚本を書いたのはカート・ウィマー。
リベリオン』、『ウルトラヴァイオレット』、『リクルート』、『ソルト』等の脚本家、最初の2本は監督もしている男です。
リベリオン』と『ウルトラヴァイオレット』で派手派手アクションを描いた後、「今まではストーリーが単純だった」と反省したのか、どんでん返し連発の映画に燃えている様子です。
本作も捻った設定で、マジメな映画だったら司法の穴と倫理に踏み込んだ社会派になりそうなものの、ホラーとスリラーの合わせ技で楽しませてくれました。
マジメな観客だったら怒り出すかも知れませんが、過大な期待を持たねば楽しめます。


ご贔屓ジェイミー・フォックスは耐える役で、悪役ジェラルド・バトラーの引き立て役ですね。
本作はプロデュースも兼任しているバトラー様の映画。
序盤のスターのオーラを完全に消し去った一般市民役には驚きました。
そして復讐開始となるとオレ様バトラー様とばかり、ふてぶてしい悪役演技も全開。
これが1番楽しめました。


レスリー・ビブもフォックスの部下役で出番が多かった。
この人がここまで目立つ映画は初めて観ました。